Googleが新時代に踏み込んできた。これまでと違う新製品で「確変」

 

Microsoftは、逆に、ハードウェア・メーカーに対して Windows OSというソフトウェアを提供するという水平展開のビジネスで成長した会社なので、ビジネスモデル面でも、カルチャー面でもAppleのような垂直統合的なハードウェア作りは得意ではありません

しかし、iPhoneの成功を目の当たりにし、同時に(パソコンと同じようなビジネスモデルの)Windows Phoneが失敗したことを反省し、Nokiaのスマートフォンビジネスを買収しましたが、結局これも失敗に終わりました。しかし、パソコンに関しては、Microsoft Surfaceというハードウェア・ビジネスが徐々に立ち上がっている点は高く評価出来ます。

今後Microsoftとハードウェア・メーカーの関係がどうなるかを予想するのは難しいですが、Microsoftのビジネスが、エンタープライズ向けのクラウドサービスに大きくシフトしているので、いずれにせよ中長期的には、パソコンはMicrosoftが提供するクラウドサービスへアクセスするためのコモディティ化した端末という位置付けになると思います。

しかし、今回のGoogleのハードウェア戦略にもっとも大きな影響を与えたのは、AppleでもMicrosoftでもなくAmazonだと私は見ています。

AmazonはKindleで自社が提供するサービス専用のハードウェアを提供することのメリットを学び、スマートフォンは失敗したもの、Fire TV、Fire Stick、Echoと着実にこの世界で存在感を高めています

Amazonのハードウェアビジネスが Apple のそれと大きく異なるのは、ハードウェアで利益を稼ごうとは全く考えてはおらず、AmazonのPrime Membershipというサービスに加入している人たちにより良い体験を提供することにより、メンバーを増やそう、メンバーにとってなくてはならない会社になろうという明確なビジョンがそこにある点です。

Amazonと違って、ハードウェアで利益をあげるAppleにとって、iCloudやiTunesはハードウェアを売るための道具でしかないのです。iCloudが未だに中途半端であり、(先行していたのにも関わらず)iTunesビデオがNetflixやAmazon Videoに圧倒されてしまっているのは、そこに理由があります。

これまで Googleは、MicrosoftやAppleがやってきたことを見た上で、ハードウェアを作って来ましたが、それだけでは、それが自分たちのビジネスにとってどうプラスになるかが明確ではなかったのだと思います。しかし、Amazonがクラウド側のAlexaをどう活用してハードウェアビジネスをしているかを見た結果、自分たちは「どこで勝負すべきかが明確になったのだと思います。

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