自民圧勝も浮かぬ顔。安倍首相に立ちはだかる3つのハードル

 

春の「アベノミクス5年」を乗り切れるのか?

来春にアベノミクスは丸5年、4月には黒田東彦=日銀総裁の任期が満了する。野党もマスコミも、安倍&黒田の「異次元金融緩和」路線で本当のところ日本経済は一体どうなったのかの徹底総括に挑むだろう。

その中で、遅くとも年末までには次期総裁の候補を絞り込まなければならないが、安倍首相が「アベノミクスは成功だった」と主張する限り黒田氏の続投を拒む理由はなく、従って「ポスト黒田も黒田氏本命」(28日付日経一面トップ)ということになる。

ところが、アベノミクスが成功したという虚構を維持するのはもはや限界で、黒田氏自身がそのことに疲れ果てて、最近は引きこもりがちで、到底、続投には耐えられないと言われる。かといって、この不始末の後引き受けて事態収拾の泥をかぶりたいという人もなかなかいないだろうから、この人事は難航する。

この問題については、近く本誌で包括的に論じたいと思っているが、さしあたり年末から春にかけての安倍首相にとっての最大の難関となることは間違いない。

こうして、安倍政治は、せっかくの3分の2超再確保にも関わらず、実は何をどうしたらいいのかよくわからない、迷走状態に陥っているのである。

image by: 首相官邸

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早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。

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