「驚き」がないiPhone Xをバカ売れさせた、アップルの巧みな戦略

 

何を~Product

iPhone Xは、iPhoneブランドの最上位機種になり、これまでのiPhoneとは違う製品である、というスタンスのブランド訴求をしています。それゆえ、製品名もこれまでの数字ではなく、ローマ字のXが使われているのでしょう。

先述したように、iPhone Xの特徴は、顔面認証、やホームボタンがなくても操作ができること、広角と望遠ができる背面カメラ、無線での充電が可能、といった、スペック的な属性があります。

もちろん、昔からのアップルファンにしてみれば、もっと画期的な「何か」を求めるのでしょうが、これまでの、iPhoneや他のスマホにはない機能として勝負できる新しさがあります。

かくいう私もアップルファンなので、期待を込めて、いうことがあるとしたら、iPhoneやiPadが世に出た時のような、「驚きがあるわけではありません。スマートフォンの市場は、成熟に差し掛かっているため、iPhoneシリーズを連続的なイノベーションで、改良・発展させていくことと同時に、アップルらしく、カテゴリーそのものを創出するような、革命的な製品開発をしていることを期待します。

どうやって~Communication

この段階でのiPhone Xは、イノベーター理論でいうところの、アーリーアダプターの取り込みを狙います。

イノベーターやアーリーアダプターは、細かく説明をすることなく、アップルまたはiPhoneの新製品なら買おうくらいの気持ちの人です。

したがって、発売前から直後までの、コミュニケーション戦略は、「iPhoneXが出ることの認知」でしょう。大量の広告を投下するというよりも、コアなファン層が見ていそうな、雑誌やインターネットメディアへのアプローチによる、PR効果、例えば、イベントでの発表、期待感の醸成、などです。手法としては、製品情報を小出しにして、期待感を煽る、「ティーザープロモーション」というやり方をとっています。

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