冷え込みが厳しくなってきたこの時期、出汁の効いた温かいカレーうどんは心にも体にも染みますよね。今回の無料メルマガ『おひとりさんが健幸的に食べるシンプル調理の和風レシピ!』では著者の現役板前・gatugatu佐藤さんが、家庭でも簡単に作れるコク旨カレーうどんのレシピを紹介しています。
割合のだしで簡単カレーうどん
gatugatu佐藤です。今回は、「割合の煮汁で美味しくできるカレーうどん」を伝授します。
今までも何度もお伝えしたのですが、煮物を作る際、美味しく味がぶれないようにできる方法があります。それが、「割合の煮汁」。出汁、調味料を一定の割合で合わせることで安定した美味しい味が出せる方法です。ですので、「ちょっとしょう油を入れすぎたかな?」「甘味が足りないかな?」「今日は塩辛い!」といった感じで調味料の量に迷わなくて済むのですね。一番使いやすい割合が、
【出汁12:みりん1:淡口醤油1】
「出汁」は水とカツオ出汁の素を合わせたものでOK。美味しさにこだわるなら、カツオ節と昆布で出汁をとって頂きたい。
で、【出汁12:みりん1:淡口醤油1】は煮物全般に使えます。野菜の煮物の場合は甘味を加えたほうが美味しくなる。そして、おでんのだしやかけうどん、かけそばの「だし」としても使える万能な割合のだしでもあります。
割合が合っていれば美味しくできるので計量カップ、計量スプーン、電子はかりを使う必要がありません。玉じゃくしにすりきりで、出汁を1杯、2杯、3杯…12杯と数えて量る。で、あとはみりんを1杯、淡口醤油1杯と加えるだけ。これだけで美味しい「煮汁」ができます。作るたびに煮物の味が変わってしまう場合は是非活用して頂きたいですね。
現在、開講中の「オンライン料理教室、和食の玉手箱」なら上記以外の割合もたくさん学べるので、作れない煮物はなくなります。それだけでなく、ほんのちょっと応用するだけで様々な煮物が作れるのでレパートリーは何百種類にも広がっていきますね。レシピを見なくても自由自在に好き勝手に美味しい煮物が自分でできちゃうわけです。間違いなく家族は喜んでくれますし、さらっと料理自慢もできます。現在の参加者さんは、楽しく実践していらっしゃいますので、自然に上達していくと思います。
で、今回のおすすめ料理の「コク旨! 手作りカレーうどん」。これは、【出汁12:みりん1:淡口醤油1】のだしを使って、カレー粉を加えるだけで簡単に美味しく作れます。うどん屋さんでは比較的あっさりのカレーうどんが多いです。ですが、私が伝授するカレーうどんはバターをチョロッっと加えてコクのある「カレーうどん」に。食べ応えのある麺料理です。うどん屋さんでは、カレー汁に片栗粉を加えてとろみをつけますが、「片栗粉」は使いません。うどんと相性のいい、身近な「粉」を使ってとろみを付けます。
先日、昼飯に作って食べましたがうどん1玉でもすごく満足感があってスパイシーで出汁の味が効いて旨かったです。簡単レシピをみておいて下さい。
レシピ
【材料】
- うどん…1玉(冷凍うどんを使いました)
- 牛細切れ肉…10g
- 玉ねぎ…80g(中1/2/コ)
- わかめ…適量
- 刻みネギ…適量
- 出汁…240cc(水240cc+カツオ出汁の素2つまみ)
- みりん…20cc
- 淡口醤油…20cc
- 塩…2つまみ
- カレー粉…大さじ1杯~大さじ1杯半(缶詰めのような容器に入ったカレーの「粉」だけのもの)
- 小麦粉…大さじ1杯
- バター…5g
1.玉ねぎは繊維に沿って5mm厚にスライスします。
2.ボウルなどに水、みりん、淡口醤油を合わせておきます。
3.フライパンを強火で熱し、バターを入れます。
バターが溶けたら中火にして牛肉、玉ねぎ入れて炒めます。玉ねぎが軟らかくなったら小麦粉を加えて、小麦粉が全体に絡むように混ぜながら炒めます(玉ねぎを炒めるほど美味しくなります)。
4.(2.)を加え、カツオ出汁の素、塩も入れて強火にします。
5.カレー粉も加えてよく混ぜます。
再度沸騰したら弱火にして混ぜながら5分ほど煮込んだら出来上がり。
6.別鍋に湯を沸かし、うどんを温めます。
温まったら、丘上げにして湯をよくきります
7.どんぶり鉢にうどんを盛ってカレーをかけて刻みネギ、わかめをのせて完成です。
生野菜、発酵食品も1~2品加えて食べて下さい。「うどん」だけでは栄養的に偏りますし血糖値上昇でもよくないので、何か生野菜、発酵食品などを加えた献立にして食べることをおすすめします。是非、作ってみて下さい。
追記
レシピに「出汁」と書くと、カツオと昆布で取った「出汁」をイメージして、「このレシピは、作れない」と思ってしまう方が多いのですが、水にカツオ出汁の素を入れるだけで「出汁」になります。「即席だし」としてどんな料理にも使えます。例えば、あまり美味しくないですが塩を加えるだけで「お吸い物」になるわけです。
本物の出汁に比べれば旨味や風味は確実落ちますが、お忙しい方はこの方法を使えば、楽に作れます。なので、ブログ内のレシピは「カツオ出汁の素」があれば全て作ることができます。カツオと昆布で「出汁」をとらなくてもいいということですね。本当は、ちゃんと出汁を取って欲しいですが…、本物は全く風味、旨味が全く違うので、味噌汁に使うとよく分かるのですが、別次元の料理に感じますよ。
で、出汁を取ること自体も実はさほど難しくなく、簡単なんです。「究極の簡単な出汁の取り方」を使えば即席ラーメンを作る時間とほとんど変らないですからね。なぜか多くの人は、「出汁を取るのは難しい、大変な作業なんだ」思い込んでしまっています。誰でも簡単にできるのに…。だれが難しく教えたのかな…。