NYの2000円ラーメンを笑う日本人に教えてあげたい「景気の話」

 

GDPが何%プラスになったとか、雇用倍率が何%下がるとか、色々ニュースにはなっていますが。

庶民の肌感覚で「景気が上がってきたなぁ~」と思えるようになるのは到底先だとわかります。

外から見ると。日本を離れて、たまに日本に来ると。あったり前の経済の流れがみんな見えなくなってるの?と不思議に思えてくる。

牛丼チェーン店が20円また値下げをすれば、そのシワ寄せは当然、人件費です。

20円安くなった!と喜んでるオマエの時給がまた下がるんだよ。大丈夫?

ランチはワンコインで済ます♪とドヤ顔してる場合じゃない。さらにスゴいドヤ顔で、その分、おまえの雇い主はおまえの給与を削っていく。

クーポン女子が、どうして貧乏なまままのか。そりゃみんながクーポン使うから。貴女のお客もクーポンを使う。その割引分は、もちろん貴女のオーナーは負担しない。貴女のサラリーが負担する。 前述の女性はマッサージ師でした。「今の客はみーんなクーポン使ってくるの!」と不機嫌な表情で言いました。とてつもない矛盾に気付いてるのかどうかわかりません。僕にはコントに見える。

お客として行って価格競争の恩恵を受けるなら、当然、労働を提供する場合にも価格競争に巻き込まれる

牛丼屋で安い安いと喜んで、格安居酒屋でバイトしてたら、そりゃ一緒だ。

こんな経済学の基本の基本が、どうして見えなくなるのか。見えてるのに、見えてないフリをしてるのか。

マクロで見ずに、自分だけは得できる!と考えているのか。

10円単位の価格競争をしている限り絶対経済は回復しない

今回のメルマガは、日本の方には不快に思う方もいらっしゃると思います。

でも、やっぱり、たまに行く日本で毎回感じちゃうことなんです。

たまに海外から行く僕にとってはありがたい。

でも、いいの? 本当に。それで。

消費者の時だけ、格安を望んで、労働時の報酬だけは、割高を望む。

冷静になれば、それがとてもアンフェアなことだと、すぐわかるはずです。

では対策は?

たまには、背伸びして高級レストランに行ってください。見えない下着に自己満足で高いブランドを買ってください。

見栄で高い消費をするのはバカだという、資産運用本の皮を被ったただの節約本が目立ちます。

確かに、浪費はよくない。でも、マクロの視点で考えれば、日本の景気回復を少しでも担えるならたまにはいいんじゃないの? と思ってしまいます。

今の日本で少しくらいの贅沢しても、食べていけなくなるくらいの貧困層にはならない。

 

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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