もやし生産者などが卸売価格を思うように値上げできない一方、食品や日用品を扱う大手メーカーが4~10月に相次いで値上げを実施しています。主なもので、かつお節、ノリ、ツナ缶、チーズ、バター、小麦粉、食用油、ティッシュ、トイレ紙、キッチンペーパーなどがあります。
大手メーカーによる値上げなので、小売業者は受け入れざるを得ません。ただ、転嫁する形での店頭価格の値上げは慎重姿勢を崩さず、値上げしたものもあれば値下げしたものもあり、全面的な値上げにはなっていません。
11月29日付日本経済新聞によると、「メーカー各社が4~10月に値上げを実施すると公表した主要10品目のうち、スーパーなどの店頭で実際に値上がりした商品は5品目だった。かつお節やノリなどは上がったが、油やティッシュなどは集客の目玉として店頭価格は下落している」といいます。
消費者の節約志向が弱まる気配を見せないため、大手メーカーの値上げ分を小売業者は店頭価格に転嫁できない現状があります。そのため、もやし生産者など零細生産者などにそのしわ寄せがいくと考えることもできます。窮状を訴えるだけではどうにもならない力学が働いているといえるでしょう。
もちろん、もやしの付加価値を高めるなどもやし生産者が努力しなければならない余地は十分あります。例えば、一般的な緑豆もやしに加え、大豆を発芽させた大豆もやしを製造するといった工夫や努力が求められます。販路を拡大するといったことも必要でしょう。
ただ、資金力に限界がある零細生産者が簡単にできることではありません。そうなるとやはり、窮状を訴えて消費者を味方に引き入れることが一番効果的なことなのかもしれません。豆腐製造業者のように行政を動かすにしても、世論が重要な役割を果たします。地道に窮状を訴えたり是正を求めるしか方法がないのかもしれません。
いずれにしても、今後のもやしの価格の動向に注目が集まります。
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