破竹の勢い。中国の「自動車市場」はすでに米国を抜いている

 

データから読み解く中国市場の途方もなさ

中国の自動車販売台数推移が語るものは多い。手元にある1994年は134万台。1999年に200万台を超え、上海F1GPの2004年に520万台に伸ばすと587、722、879万台と年を追うごとに積み上げてリーマンショックの2008年に983万台、翌2009年に1365万台に撥ね上げると翌2010年にはついにアメリカを抜き去り一度も落とすことなく2016年に2802万台まで拡大を続けている。

そこには当然のことながら燃料を供給するガソリンスタンドの店舗増が付随しているはずだし、道路インフラの整備も進められている。高速道路の総延長距離の推移にも目を見張らされる。30年前の1988年にはわずか522kmだったのが、11年後の1999年10月には10,000kmを突破(世界第4位)。2001年にはその約倍増の19,000km超(同2位)、以後5年毎に倍々ゲームとして2013年に104,400km、2016年末には13万km超でアメリカの12,819km(2010年末)を抜き去っている

現在の中国自動車市場は、2010年にアメリカを抜き去って以来世界販売の30%を占めるに至っている(2016年:28,028,175台)。国別販売シェアのトップを占めるのは1053万台43.2%の中国民族系だが、2番手は451万台18.5%を握るドイツ系。次いで日系15.6%、米系12.2%、韓国7.4%と続く。

ブランド別販売ランキング2017年最新版では1位が五菱宏光(ウーリンホンガン)というGM系上海通用五菱のMPVで実に533,950台を売り上げる。前年比-17.9%というが、まるでアメリカのライトトラックにも匹敵するかのような桁外れの台数だ。以下長城汽車SUVハーバルH6(506,362台=同-12.8%)、上海大衆VW中国専用セダンラヴィーダ(457,114台=同-4.5%)、上海通用GMビュイックエクセルGT(416,990台=同+12.6%)、東風日産シルフィ(405,854台=同+10.3%)、上海通用五7菱GM宝駿バオジャン510(363,949台)、広州汽車GACトランプチGS4(337,330台)、トヨタカローラ(330,018台)、VWサギター(332,733台)、VWティグアン(332,402台)と続く。

VW(フォルクスワーゲン)ブランドが中国市場にしっかりと根を下ろし、2009年には倒産したはずのGMが欧州のオペル/ボグゾールに見切りをつけた上で注力している現実が浮き彫りになっている。2016年にフォードが日本撤退を決めた背景に成長を続ける中国市場重視の経営判断が下ったのは間違いなく、そこには政権交代には関係のないアメリカの意志が働いたのかもしれない。

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