金メダリストに報奨金4000万、でも半分近くが税金に取られる場合も

 

そして、日本オリンピック委員会JOC以外の団体から報奨金をもらった場合は、団体の性質によって課税関係が異なってきます

JOCの加盟団体から報奨金が支払われた場合、たとえば日本スケート連盟などの場合、金メダルは300万円まで、銀メダルは200万円まで、銅メダルは100万円までが非課税となっています。それ以上もらった場合は、一時所得として税金を払わなければなりません

日本スケート連盟の場合、金メダルの報奨金は500万円です。このうち300万円は非課税ですが、残りの200万円には一時所得として税金がかかります

一時所得の税金の計算方法は、大まかにいうと

(収入-50万円)×50%×その人の税率

です。

だから日本スケート連盟からの500万円の報奨金に対しては、

(200万円-50万円)×50%×税率

となり、税率がだいたい20%程度なので、15万円程度になります。15万円くらいの税金ならば、いっそ取らずに「非課税」ということにしてしまえば、政府の株も上がると思いますがねえ。

で、競技団体以外から報奨金をもらうケースもあります。

たとえば、金メダルを二つとったスケートの高木菜那選手は、所属先の日本電産サンキョーから4000万円の報奨金をもらえるとも言われています(確定しているわけではないようです)。

所属先の企業から報奨金をもらった場合、それは普通のサラリーマンがボーナスをもらったときと同様の税金がかかってきます。つまり、普通に所得税がかかってくるわけです。4000万円ともなると、所得税の税率はかなり高くなります。他の収入の状況にもよりますが、住民税と合わせれば40%以上はかかることになるでしょう。つまり、1600万円以上は税金でとられるということになります。

金メダルを二つも取るのは、今後なかなかないだろうし、歴史的にも稀なことなのに、40%も税金を取られるのは気の毒ですね。スピードスケートなどは、それほどいい待遇で選手生活を送ってきたわけではないでしょうし。

所属企業が報奨を出す場合、一時金ではなく、給料に加算するか退職金に加算したほうが、税金的には得になります。たとえば、4000万円の報奨金を出す代わりに、給料を倍にするとか、4000万円をプールしておいて、退職するときに退職金として払うのです。そうすれば、税金は数分の一になるはずです。

でも、やっぱりご褒美は、すぐにもらいたいものですよねー。

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