イオンも瀕死。ドラッグストアに客を奪われ没落する大手スーパー

2018.03.12
 

もがき苦しむスーパー各社の現状

大型の総合スーパー(GMS)を、郊外を中心に展開するスーパーマーケット業界の雄、イオングループのイオンリテールは、このようなドラッグストアの攻勢に押されて15年2月期には営業損失16億4,600万円と赤字に転落。16年~17年には黒字へと転換したが、今期は再び赤字に陥っており、18年2月期第3四半期決算では215億9,700万円の営業損失で推移している。

イオンモール日の出

イオンモール日の出(東京都西多摩郡日の出町)

昨年12月、今年1月の全店売上高がプラスになっているので、通期では巻き返して利益が出る可能性もあるが、これだけ全国にイオンモールを建設して巨大な売場面積を持ちながらも、もがき苦しんでいることは確かである。

スーパーマーケット業界2位のイトーヨーカ堂の18年2月期第3四半期決算も、営業収益が前年同期より3.1%減営業利益も8.7%減と、厳しい状況にある。同3位のユニーに至っては、昨年11月にドンキホーテホールディングスに株式の40%を譲渡して業務提携を行っており、GMSの再生を諦めて「ドンキホーテ」の集客力に頼るべく戦略を転換している。

イオンをはじめとするGMSを脅かす存在として、コンビニ、食品スーパーが、地域に密着してきめ細かいニーズに対応し、顧客を奪ってきたが、新たにドラッグストアが参入してきた構図である。

最近、新しく増えているドラッグストアの傾向は、郊外、過疎地のロードサイド、生活道路沿いに大きな駐車場を有して、薬品、衛生雑貨、化粧品ばかりでなく食品を販売している。しかも、食品の売場面積が年々増える傾向があり、食品の売上比率が5割を超えるチェーンすらある。

青果、肉、魚といった生鮮はほとんど売っていないが、加工食品が全般に安い。スーパーに行かなくても米、パンから豆腐、ジュース、冷凍食品、乾物、調味料などひと通り揃い、缶ビール、缶チューハイのような酒類まで販売している。

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