イオンも瀕死。ドラッグストアに客を奪われ没落する大手スーパー

2018.03.12
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ドラッグストアの「さらなる奥の手」

上位5社のうち、マツモトキヨシを除く4社は皆、同じようなビジネスモデルを擁している。郊外型の大規模店を主力に出して小商圏のデイリーニーズを独り占めにしにいくタイプの店である。

イオンモールは全国に145ほどあるが、車で1時間、2時間移動しなければ行けない人も多い。休日には賑わっても、平日はガラガラなケースがほとんどだ。食品のようにデイリーに必要なものは、わざわざ道路やレジの渋滞に巻き込まれる大変な思いをして、週に一度イオンモールで買いだめしなくても、家のすぐ傍の店で十分に間に合うだろう。

今までコンビニと地域の食品スーパーが、日常のニーズを埋めてきたが、そこにドラッグストアが加わり消費者としては選択肢が広がった。イオンモールの中にある巨大なスーパーに敢えて足を運ぶ必要性が、薄れてきたということなのである。

以下、10位まで駆け足で見ると、6位「スギ薬局」のスギホールディングス、4,307億9,500万円、3.8%増、1,048店。7位、「ココカラファイン」、「セイジョー」、「セガミ薬局」などのココカラファイン、3,772億300万円、1.1%増、1,304店。8位、「カワチ」のカワチ薬品、2,664億2300万円、2.2%増、311店。9位、「ドラッグストア クリエイト」のクリエイトSDホールディングス、2,473億4,100万円、6.7%増、541店。10位「クスリのアオキ」主力、クスリのアオキホールディングス、1,887億4,400万円、16.8%増、386店、と続いている模様だ。

カワチ薬品、クリエイト、クスリのアオキのように店舗数が少なくて売上高が上位にあるチェーンは、郊外型の小商圏独占タイプの店が主力である。

こうしてドラッグストア業界のトップ10を並べてみると、上位10社中で9社が増収。しかもウエルシア、コスモス薬品、クスリのアオキの3社が2桁増である。

ちなみにドラッグストアの6.5兆円の市場規模は、百貨店と既に同規模だ。また、コンビニの市場規模は11兆円ほどであり、前年比4.1%増の伸び率となっている。従って将来的にはドラッグストアは、コンビニと小売の覇権を争うほどのポテンシャルを秘めていると、言えるのではないだろうか。

食品強化は、マツモトキヨシを除くほぼ業界の全社が目指す方向性と言っても過言ではなく、都市の駅前の「セイジョー」、「セガミ」など小型店が多く食品の売上構成比が10.8%に過ぎないココカラファインでも、戦略的に食品を拡大している。

ココカラファイン17年3月期では、品目別の粗利益率は医薬品39.0%、健康食品34.6%、衛生品27.9%、化粧品27.4%、日用雑貨19.9%、食品11.7%で、これだけ見ると食品を強化する妙味はないように思える。しかし、食品は客数増に貢献している。この食品の粗利益率の低さをどうカバーするかが、経営の腕の見せ所で、サンドラッグのようにプライベートブランドの拡張で流通の中抜きをして、利益を上げようとする試みがある。

さらなる奥の手は、調剤薬局を併設することだ。これを最も進めているのはウエルシアで、調剤併設店は1,025店(前年から131店増)、調剤併設率は66.9%(前年比6.0%増)に及ぶ。調剤売上高は約975億円(前年比27.5%増)で、調剤薬局チェーンのランキングでも6位に入ろうかという勢いだ。将来的には首位に立つ可能性すらある。

消費者にしてみれば、調剤薬局で薬を調合してもらっている間に、食品などの買物ができるメリットがある。高齢者にしてみれば、流行に敏感なファッション衣料や雑貨の専門店を山ほど揃えたイオンモールよりも、非常にありがたい店になっているのだ。

ウエルシアではコンビニのように公共料金の支払いもでき、スーパーによくあるアルカリイオン水の無料サービスもあるといったように、さまざまなサービスを取り入れている。

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