金星や土星、木星などと異なり、めったに見ることができないとされる水星。しかし今、そんな水星を観察できるチャンスが巡ってきています。無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』の著者でご自身も天体観測を趣味のひとつとしているという須田將昭さんが、「夜空の水星の探し方」をレクチャーしてくれました。
水星を探してみよう
水金地火木土天海…
太陽系の惑星を内側から順に並べて、最初の一文字だけをつなげるとこうなります。
- 水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星
ですね。このうち、地球より太陽に近い二つの惑星、水星と金星は内惑星と呼んでいます。地球から見て太陽に近いわけですから、地球に一番近づくときには、太陽と重なってしまい見えません(昼間ですね)。また遠くにある時には、太陽の向こう側ですが、これもまた昼間になるので見えません。
地球を挟んで、太陽と水星・金星が反対側にあるという並びにはならないので、真夜中に見ることはできません。
見えるのは日没後の夕方か、日の出前の朝方です。太陽が隠れていてその光が遮られている時の限られた時間だけです。
このうち、金星は比較的見るチャンスは多いですね。明けの明星、宵の明星と昔から親しまれています。とても明るいのでまだ日の光が残っていても見つけられます。「一番星、見ぃ~つけた」と言いたくなるでしょう。
一方、水星は太陽に近いので見るチャンスが非常に限られています。太陽から離れている時でも、高度が低く見つけにくいのです。3月16日は、太陽から見かけ上もっとも離れたところに位置する日で(東方最大離角と呼んでいます)、このところ見やすくなっています。しかも金星がセットですから、探しやすくなって
います。
日没後、西側が見渡せるところで探しましょう。3月16日の日の入りの時刻は、東京で17時49分、仙台は17時44分、福岡で18時27分。みなさんのお住まいのあたりでおおよその検討をつけて、そこから30分から1時間ぐらいが見頃です。
ビルや建物があると難しいので、できるだけ見渡せるところへ。
まず一際明るく輝く金星を探しましょう。まだ日没後しばらくですと、空は明るいですが、金星はすぐに見つかるでしょう。その少し右上あたりに、目をこらすと星が見つかると思います。それが水星です。小型の双眼鏡を使えば(あまり倍率が高くないもの)、金星と水星が同時に視野に入るぐらいです。
これから数日、水星は少しずつ高度を下げていきますが、金星はどんどん高くなっていきます。20日前後は、ほぼ同じ高さで並んで見えることでしょう。あとはだんだん見にくくなります。
水星を見るチャンスはなかなか少ないですから、ぜひこの機会に!
私も見たい、見たいと思いながらも、水星が見える時間帯は授業中で抜けられません…。空いている時には空が曇っていたりして…。
まだまだ数日間のチャンスがありますので、ぜひチャレンジしてみてください。
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