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EC事業者の99%が赤字は本当か?深刻な現状の「大きな要因」

読者からのさまざまな質問に回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、ECをメインとした会社を経営されている方から「EC事業者の7割が赤字というのは本当なのか?」という質問です。ネットショッピングが当たり前となった今だからこそ知りたい情報に、永江さんが出した答えは…?

「EC事業者の7割が赤字」は本当?

Question

こんにちは。いつも楽しく拝見しております。最近では、永江様のこちらの記事にとても共感しております。

今回、EC事業者の7割が赤字は本当なのか?という質問をさせてください。私はECをメインとした会社を経営しています。オリジナル商品がお客様にご支持頂いているおかげで、幸い黒字です。

しかし、他社を見渡すと、どこも同じようなトレンド商品を取り扱い価格競争が熾烈に起こっている状況が垣間見えます。私自身も個人的な買い物をECで済ますことが多く、価格競争が起きている商品を安く購入できることは嬉しいのですが、お節介ながら黒字運営できているのか心配です。

もちろん、戦略的に正しい判断で行っている企業もあるかとは思いますが。そんなときに以下の記事を見つけました。

上記では「~という話があります」というかたちで、断定をしているわけではありません。しかし、いちEC事業者として他社を見る限り、ことのほか間違っていないのかも?と思ってしまいます。また、最近では低金利のためか銀行からも融資を受けやすく、各ECモールでも融資サービスが盛んに行われています。

ひょっとして、本当にEC事業者の7割が赤字なのでしょうか?エビデンスがない以上、明確なお応えは難しいかもしれませんが、永江様の見解をお聞きしたいです。

永江一石さんからの回答

いや、7割どころか全体の99%くらいは赤字だと思いますよ。エビデンスは簡単で、全ECの売り上げを店舗数で割ればいいんです。店舗と言ってもメルカリの個人商店レベルから大規模ECまでその数は無限にありますので、1店舗あたりの売り上げなんて雀の涙ですよね。

上記リンクを拝見しましたが、ポジショントークという印象を受けました。勉強しないよりしたほうがいいのですが、ぶっちゃけいくら勉強したからといって商品に魅力がなければ売れないんです。例えば「赤いサイロ」だって、カーリングで話題にならなければ今もそこまで売れてないでしょう。以前ブログに書きましたが、どこにでもある商品は薄利多売の価格競争になるので勝ち目がなく、いまはニーズがあり、且つオリジナリティのある商品でないと売れないんです。逆に言えばそれがあればメルカリだってヤフオク!だってAmazonだって売れます。

もう一点、どこにも書いてませんがECショップの売り上げ減の大きな要因はスマホ化です。スマホはPCと比べて画面が小さいので検索に向いてませんし、Amazonや楽天のアプリから直で買えるので10年前と比べて検索流入数は激しく落ちています。単独のドメインではなかなかお客が来ません。

まとめると、よほど尖ったものや他に真似されづらい商品でない限り、個人のEC事業者の将来はますます厳しくなってくるだろうというのがわたしの意見です。

image by: Shutterstock.com

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商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。

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