なぜ、この料理が「プノンペンそば」になったのでしょうか。テレビで「カンボジアの内戦」を観た店主が、「カンボジアはこれから発展するだろう」という思いから、首都である「プノンペン」の名を拝借したと言います。
実に適当なネーミング。
創作した時点では、カンボジアに行ったこともありませんでした。食材はすべて国産にこだわっている、というオチまでついています。これを機に、店名を「プノンペン」に変えてしまいます。
「プノンペンそば」はお客さまに受け、誰もが注文するようになります。やがて、「プノンペンそば」ばかりが売れるようになり、店主は決断。これ1本でやろう、と。それ以降も、お客さまが絶えることはありませんでした。暖簾に「プノンペン」と書かれていることで、さらに興味を持つ人が増え、マスコミにも取り上げられるようになります。
まったくの創作料理で、カンボジアには存在しない「プノンペンそば」。その未知なる料理に人は興味を持ち、食べてみたいと思うようになります。人びとは、知らないものに目がありません。「何だろう?」は、大きな集客力となるのです。
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