「準じる」と「準ずる」
■質問
社内用の文書を手直し中に、「当社就業規則に準じるものとする」という文言があり、「準じる」と「準ずる」どちらが適切なのかな、と疑問に感じました。
「準ずるはただの言い間違い」とする意見もあれば、「本来は準ずるだったのが、準じるに移行してきている」という意見もあり、結局のところよくわかりません。
辞書によっては、「準ずる」のほうに意味が記載してあり、「準じる」には「準ずるに同じ」と記載されていたりします。ということは、準ずるのほうが正しいのか…? と思ったり。神垣さんの見解を教えていただければ幸いです。
(読者 A.Aさん)
■回答
辞書によって「準じる」と同じ意が「準ずる」とするものと「準ずる」と同じ意が「準じる」とするものがあるようです。
「準じる」は自動詞の上一段活用で「準ずる」は自動詞のサ行変格活用という活用の違いだけで、意味は同じ、あるものを基準にしてそれに倣うことを指します。どちらを使っても間違いではなさそうです。
共同通信社「記者ハンドブック」では「準じる」で統一されています。新聞表記に従えば「準じる」とするのが適切ですが、社内で使う場合、「準じる」でも、「準ずる」でもどちらかに表記を統一していればどちらでも差し支えないと考えます。
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