人から褒められたら「そんなことありません」と謙遜はNGな理由

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人から褒められたとき「いえいえ私なんて大したことありません」と、謙遜の気持ちから相手の言葉を打ち消してしまうこと、日本人であれば誰しも一度は口にした覚えがありますよね。しかし、こうしたケースの場合、本来は感謝の言葉を伝えるべきと教えてくれたのは、無料メルマガ『仕事美人のメール作法』の著者・神垣あゆみさん。神垣さんは、高価なお土産をいただいた際のお礼や、受け取りを断る場合などを含めて正しい受け答え方を紹介しています。

褒められたときの返答

断ったり、注意したり、意見したりするとき、言い方、書き方によって受け取り方がガラリと変わります。

思ったことをそのまま伝える直球方式は、場合によっては相手が不愉快、不快に感じることもあるので、婉曲に角を立てず思いを伝える言い回しの変化球も知っておくと、メールのやり取りを円滑にする一助になります。

例えば、人から褒められた場合、

「いえいえ、そんなことありません」

「私なんて大したことありません」

と謙遜の気持ちから、自ら相手の言葉を打ち消して返すことが多いものですが、

「ありがとうございます。○○さんに褒めていただき光栄です」

「ありがとうございます。お褒めの言葉を頂戴し、光栄です」

と、褒められたことへの感謝の気持ちを伝え、相手に褒められたことがうれしくありがたいという意を伝えます。自分のことではなく、相手に褒められたことに焦点を移して返すのがポイントです。

「光栄です」の代わりに「自信がつきました」としてもよいでしょう。

今回は、このように否定的な一文を肯定的に書き換える例を紹介していきます。

高価なお土産をもらったときの返答

明らかに高価なものと分かる手土産をもらったとき。ついつい手土産の価格が気になって、こんなふうに返していませんか。

「高価なものを頂いて、申し訳ないです」

「気を遣っていただいて、すみません」

「こんな値の張るものをもらってしまって…」と遠慮する気持ちから「申し訳ない」「すみません」という言葉を使ってしまいがちですが、「なんだか申し訳ない」という気持ちを一転させて次のように書き換えてみてはどうでしょう。

「お心づくしの品、ありがたく頂戴します」

「お心づくしの品」は「お心のこもった品」と書き換えてもよいでしょう。

お土産を渡す側は、相手に喜んでほしいという気持ちがあるはず。ならば、「すみません」と恐縮するより、素直に好意を受けとめ、「ありがとうございます」と感謝の言葉を返すほうが感じが良いです。

その場でお礼ができず、あとでお礼のメールやはがきを送る場合は「結構なお品を頂戴し、ありがとうございます」と伝えます。

「結構なお品を頂戴し」は「お心遣いいただき」「お心づくしの品を頂戴し」としてもよいでしょう。「いつもお心にかけていただき、感謝申し上げます」という言い方もあります。

受け取りたくないときの返答

会うたびにやたらと物をくれる人や自分は不要だからと、こちらの都合にお構いなく物を渡そうとする人。本人は悪気がないだけに、断るのもひと苦労、ということがあります。

断るつもりで「結構です」「いいです」と返せば、相手は「結構な品ですね」「いいですね」と自分に都合よく解釈して押し付けてくる場合も。「いえいえ」とか「そんな…」といった曖昧な遠慮も相手に伝わらず、会うたびに贈り物攻撃が続く可能性もあります。

かといって「迷惑です」「要りません」「間に合ってます」ときっぱり断ると角が立ちます。

このようなときは

「お気持ちだけありがたく頂戴します」

あるいは

「(その)お気持ちだけで十分です。ありがとうございます」

と返答することをお勧めします。

または「これまで十分過ぎるほどいただいています。どうぞ、お気遣いなく」という言い方もあります。

いずれにせよ、ストレートに断ってしまうと相手の好意を無にすることになるので、物品ではなく気持ちだけ受け取りますよ、と返すのがポイントです。

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仕事上手はメール上手! 「ご返事」「お返事」どちらが正しい?
メールで間違いやすい敬語の使い方は? など、気になるビジネスメールの基本やマナーをご紹介。2005年1月創刊、まぐまぐ大賞「ビジネス・キャリア部門」入賞。「迷わず書けるメール術」など、メール対応関連の著書8冊刊行。まぐまぐ!から有料メールマガジン「仕事のメール心得帖」も配信

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【著者】 神垣あゆみ 【発行周期】 平日日刊

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