米英仏がわかりやすく「シリア攻撃」、真のターゲットはプーチン

 

「戦術的勝利」をおさめたプーチン

さて、シリア、ウクライナにおける米ロ代理戦争は、現状どうなっているのでしょうか?

思いだしてください。ロシアは、アサドを支援する。アメリカは、反アサドを支援する。アサドは、いまだにサバイバルしています。フセインやカダフィのように殺されてもおかしくないのに、まだ政権を維持している。それどころか、アサドは、ロシアとイランの支援を得て、IS、反アサド派を駆逐し、ほぼ全土を掌握するまでになっています。

そう、プーチンは、シリアで米ロ代理戦争勝っているのです。実際、彼は2017年12月11日、シリアで「勝利宣言」を行い、ロシア軍撤退を命じています。

ウクライナは? まず、ウクライナからクリミアを奪った。東部ドネツク、ルガンスク州は、事実上の独立状態を維持している。こちらの方も勝っています

アメリカのターゲットは、プーチン

しかし、プーチンは、一瞬たりともリラックスできません。なぜ?

クリミア併合後、ロシアは、「経済制裁原油価格暴落」ボロボロになってしまった。2018年3月1日、プーチンは、「裏世界史的大事件」を起こします。年次教書演説で、フロリダ州を攻撃する映像を見せアメリカを脅したのです。

「フロリダ州を核攻撃」のビデオ、プーチン大統領が演説に使用
CNN.co.jp 3/2(金)10:40配信

(CNN)ロシアのプーチン大統領は1日に行った演説の中で、無限射程の核弾頭が、米フロリダ州と思われる場所を狙う様子をアニメーションで描写したコンセプトビデオを披露した。フロリダ州には米国のトランプ大統領の別荘がある。

プーチン大統領は演説の中で、極超音速で飛行でき、対空システムも突破できる「無敵」ミサイルを誇示。「ロシアやロシア同盟国に対する核兵器の使用は、どんな攻撃であれ、ロシアに対する核攻撃とみなし、対抗措置として、どのような結果を招こうとも即座に行動に出る」と強調した。プーチン大統領が披露したビデオでは、何発もの核弾頭が、フロリダ州と思われる場所に向けて降下している。
(同上)

この演説で、欧米の指導者たちは、「反プーチンで一体化してしまいました。3月4日、ロシアのスパイでありながらイギリス諜報に情報を流していた「ダブルスクリパリさん殺害未遂事件が起こります。メイ首相は、即座に「これはロシアがやった!」と宣言しました。3月18日、プーチン、大統領選で圧勝。3月26日、欧米を中心に25か国が「ロシア外交官追放」の決定を下します。ロシアは、即座に報復しました。4月6日、アメリカ財務省は、対ロシアで新たな制裁を発動

<米国>対露制裁対象に38個人・団体 対決鮮明に
毎日新聞 4/6’金)23:45配信

【ワシントン高本耕太、モスクワ大前仁】米財務省は6日、2016年米大統領選介入を含むサイバー攻撃などロシアの対外「有害活動」に関与したとしてロシアの計38個人・団体に対する制裁措置を発表した。

 

オリガルヒ(新興財閥)関係者や政府高官らプーチン大統領の周辺人物の多くを対象としており、ロシアとの対決姿勢を鮮明にした。

この制裁ですが、すでにアメリカ国内で「資産凍結」がはじまっているようです。そして、「プーチンの友人たちがターゲットになっている。

4月14日、アメリカ、イギリス、フランスは、ロシアの同盟国シリアをミサイル攻撃。アメリカは、さらにロシア制裁を強化する方針です。

米、露企業に制裁方針…シリアの化学兵器関連
読売新聞 4/16(月)1:33配信

 

【ワシントン=大木聖馬】ヘイリー米国連大使は15日、米CBSテレビのインタビューに対し、シリアのアサド政権の化学兵器開発・使用をロシアが支援していたとして、米政府が16日にも独自の制裁を発動する方針を明らかにした。ロシアが反発し、米露関係がさらに冷え込むのは必至だ。

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