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訳あり物件専門家が斬る、「かぼちゃの馬車」問題の不可解さ

先日公開した「家賃収入10億のハズが破産へ。会社員を狙うシェアハウス投資の手口」という記事で、どこよりも早くシェアハウス「かぼちゃの馬車」の悪質な投資詐欺の手口について報道しましたが、件の不動産会社「株式会社スマートデイズ」は4月18日、東京地裁より民事再生手続きの棄却を受けて「破産」が決定的なものとなりました。“いわくつき”な物件を得意とするアウトレット不動産の「れいか」社長が配信する無料メルマガ『訳あり物件の専門家「れいか」のメルマガ』では、「訳あり物件の専門家」という視点からのイチ意見として、今回のスマートデイズ問題におけるスルガ銀行の審査基準の不可解さについて一刀両断しています。

かぼちゃの馬車を斬って観る

シェアハウスかぼちゃの馬車」の投資家は700人と数が多いので話題になっており、1人の投資家がシェアハウスを3棟も所有しているなど、複数所有しているため処分が余計に厄介ときています。

しかも、シェアハウス投資で困窮している投資家は、スマートデイズの「かぼちゃの馬車」ばかりではありません。相談者の中には、ゴールデンゲイン社の「シェアハウス」プランを入れられない土地で、苦肉の策として「民泊プランを設定されてしまった物件を所有している人もいます。

その取引価格は10坪1億円で、しかも普通の不動産取引価格とは異なるようで、通常の不動産取引価格はおよそ4000万円ほどの土地になります。

10坪で1億円の取引となると、一個人が売買契約を締結する金額ではなのではないでしょうか。しかも建物代金は別口融資で、金利3.5%で一部が融資実行されています。

地方銀行のスルガ銀行が土地の決済時に1億円の融資を実行しているのですが、土地評価での融資ではないようです。事実上、担保割れしているものに融資実行する金融機関は他にはないでしょうから、スルガ銀行の審査基準は不可思議なものがあります。なにか裏事情があったに違いないという憶測が働かざるをえません

審査基準の要素は以下の4つで、

不可解な点は、不動産担保評価(資産背景)の確認がずさんな審査。貸金を取りっぱぐれる可能性のある融資実行は何のためだったのでしょうか?

投資家の年収1000万円というのが融資基準の一つの壁だったようですが、預貯金改ざんと同様年収も改ざんされていると言われています。審査が緩くても融資実行が優先される、経営陣の思考が反映されているのだと考えられます。

そして、ゴールドゲイン社のシェアハウスに立腹する点は、「民泊24時間管理人を常駐させること(区の行政指導)」が不可能なプランで建築請負契約を行っていること。

これらは素人が考えたって不自然な話です。それなのに、投資家たちが約1000棟もの物件を購入してしまった本当の理由は何なのでしょうか? 高齢化、終身雇用の崩壊、年金制度への不信感など、すべては未来への不安感からではないでしょうか。

メディアの発信の仕方ひとつで、事実ではあっても、真実が異なったまま物事が社会に浸透します。

冷静に判断するには情報は偏っていて、テレビが発信すると「この役人は辞任して当然」という風潮になるわけですが、個人的に「女性問題」で議員や役人が辞職に追い込まれるニュースが取り上げられるときは、裏があり仕掛けられているような気がしてなりません。

「今はその風潮にするための仕掛けがなされているのかもしれない」と、ちょっと引いた思考で物事の本質を見抜くことが大事な時です。

image by: GoogleMapストリートビュー

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アウトレット不動産社長「れいか」です。弊社は事故物件・訳あり物件などのいわゆるいわくつき物件の買取・仲介を得意としています。不動産に関する情報をわかりやすく解説していきます。

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【著者】 れいか(不動産会社社長) 【発行周期】 平日刊

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