最近のカルディ商品には、「KALDI」のマークの入ったものが増えています。カルディがオリジナル商品として開発したものですが、その説明文に“買わない秘密”がありました。
たとえば、チュニジアやモロッコで使われる調味料「ハリッサ」。パプリカをベースにしたペースト状の調味料で、甘酸っぱい風味で香辛料が効いています。クスクスや煮込み料理に使われるものです。非常に珍しいので、興味がそそられるのですが、日本のメーカーで作られています。日本で作るとなると、原料が違い、味も日本人が食べやすいように変えてしまいます。これでは、本当の味を知ることはできません。製造元が日本のメーカーだとわかった時点で、棚に戻してしまうのです。
カルディには、最近この手の商品が増えています。イタリアの○○、フランスの○○、タイの○○というラベルをつけていても、裏には「製造:株式会社××商店」とあります。日本人が食べやすい商品を作る、という姿勢は理解できるのですが、初めて見る商品は本来の味を知りたいものです。
食べやすい方が良いと考えるお客さまもいるでしょうが、「面白い食材を探しに来ているマニア」は、それをカルディに求めてはいません。どちらかと言えば、“マニア客”の方が多いはずです。もし、オリジナルを作るのであれば、現地のメーカーに頼むべきなのです。
バイヤーとしては、日本のメーカーに依頼する方が、商品化は楽かもしれませんが、それでは“似た商品”ができるだけです。「海外輸入食材」が売りのはずです。日本のメーカーに偽物を作らせるのは、戦略の間違いだと考えます。
お客さまがカルディに求めているものは何か。それが「輸入食材」であることを思い出して欲しいものです。