焦る中国。アメリカが台湾に事実上の「大使館」を置いた理由

 

しかし、そんな嫌がらせの数々を国際社会が許すわけがないし、そもそも台湾がそんなものに屈することはありません。中国の軍事的驚異を感じた台湾は、対中安保について日本に対話を求めました。それが以下の産経新聞の記事です。

対中安保「日台で対話を」 台湾の外交部長が異例の呼びかけ 単独インタビュー

(以下記事を一部引用)

台湾の呉釗燮外交部長(外相に相当)は26日までに、産経新聞の単独取材に応じ、「日本と台湾はともに中国の軍事的な圧力と脅威に直面している」と述べ、日台当局間の安全保障対話を呼びかけた。日本と外交関係のない台湾の高官が当局間対話を求めるのは異例。台湾周辺で活発化する中国軍の動向を受け、一歩踏み込んだ。

 

呉氏は中国の海空軍が近年、西太平洋への進出を「常態化」(中国国防省)させていることを念頭に、「軍用機が宮古海峡を南下すれば台湾、バシー海峡を北上すれば日本への脅威となる」として、日台の安全保障は「密接不可分だ」と指摘し、「日本と安全保障分野での意見交換を望む」と述べた。

 

米国と台湾の間では安全保障協力が「非常に密接だ」とし、「外交関係の有無を安全保障対話の前提条件にすべきではない」とも述べた。また、日本側が公開での対話を望まないのであれば、「非公開でも構わない」とし、まずは窓口機関を通じた対話でも良いとも述べた。

そして、なんとこの記事に対して、中国の在日大使館が抗議したというのです。フォーカス台湾がそのことを報じています。

台湾外相取材の日本メディアに中国大陸が抗議 外交部「受け入れられない」

(以下記事を一部引用)

産経新聞は27日付で「対中安保『日台で対話を』台湾の外交部長が異例の呼びかけ」と題したインタビュー記事を掲載。中国大陸の軍事的圧力の高まりを背景に、呉部長が日台当局間の安全保障対話を呼び掛けたと報じた。同日夜、同紙電子版は中国大陸側から「報道は台湾独立を主張するもので、強く反対する」との申し入れが同社にあったと伝えた。

 

外交部の李憲章報道官は28日、同部の定例報道説明会に出席し、中国大陸のやり方は自由と民主主義の普遍的な価値観を脅かすものだと指摘。このような流れが蔓延するのを阻止するため、理念が近い国々に対して団結を呼び掛けた。

この事例ひとつを取っても、中国がいかに焦っているかがわかるでしょう。中国は、日台が連携して対中防衛にあたっては困るのです。中国は恐れています。台湾がどんどん独自路線を歩き、自ら独立国としての道を切り開いていくことを。

しかし、それは一歩ずつ着実に現実のものとなってきているのです。台湾以外にも、北朝鮮、南沙諸島など、アジアの様々な要因がアメリカと中国の対立の中で慎重に動き始めています。そんななか、我々は一人ひとりが歴史をつくっていく当事者として、意思を持ってこの世界の変化に参加していくべきなのです。

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