焦る中国。アメリカが台湾に事実上の「大使館」を置いた理由

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先日、台湾・台北市で落成式典が行われた、米国在台協会台北事務所。表向きには「事務所」とされていますが、米国サイドの扱いなどを鑑みれば実質的には「大使館」と言っても過言ではないようです。これを受け、アメリカは「ひとつの中国」ではなく「一中一台」の外交政策を選択した、とするのは、台湾出身の評論家・黄文雄さん。黄さんは自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』に、台湾独立の動きに神経を尖らし、日本にも数々の不利益をもたらす中国と対抗するために、日本も今すぐつながりを深める米台2国に加わるべきだと記しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2018年7月3日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【台湾】米台接近に日本も加わるときが来た

台北に米新庁舎、神経とがらす中国

台北の内湖区に米国在台協会AIT台北事務所の新庁舎が完成しました。その落成式は、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩委員長がシンガポールで米朝首脳会談を実現させたのと同じ日でした。

世界の目を北朝鮮との会談に向け、その影に隠れる形で行われた落成式でした。私はこのメルマガで、機会があるたびにアメリカにトランプ政権が誕生したことは台湾にとってプラスに働くと言ってきました。

実際、功績を急ぐトランプ大統領は、台湾旅行法の成立台湾への14億ドル約1,550億円相当の武器売却などを実現してきました。これは、対中政策のひとつとして台湾というカードを重視しているトランプ政権だからこそ成し得たことです。

そして、AITの新庁舎完成です。台北で最も開発が進む内湖区の高級エリアに建てられたAITは、建設に2億5,000万ドル(約277億円)もアメリカが投じたと報じられています。以下、報道を一部引用します。

6月12日に公にされた新庁舎は、台北で最も開発が進む内湖区の高級エリアに立ち、建物の外観もシンボリックなものとなった。建設には2億5,000万ドル(約277億円)が投じられた。どこから見ても立派な大使館だ。500人近くいる職員の大半は一時的に米国務省から離れているとはいえ、米国の外交官だ。AITはビザの発給業務を行う。トランプ政権はここを警備するために海軍兵士の派遣を検討しているという。

もちろん、これに対して中国が黙っているわけがありません。そもそも、トランプ政権が発足してから米中関係はギクシャクしており、最近になって米中間の関税合戦や、中国資本の対米投資制限など、具体的に対立項目が表面化してきています。

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