問題は、これって、わざとしてるんじゃなくて、自然にそうなってしまう、という点だ。だれかが、どっかのチームを応援するというのは、ごく自然な心の反映だ。無理につくろってだれかを応援するものではない。自然の発露としてエールが出てくるものだし、無理やり頭で操縦することはできない。
それを象徴するような記事が韓国の中央日報にでていた。
2-2の後半ロスタイムにシャドリが劇的な逆転ゴールを決めたことでベルギーが3-2で勝利した。このとき、KBS(韓国放送公社)のハン・ジュンヒ解説委員が「シャドリ、ありがとうございます」と興奮気味にコメント。
韓国の一部の視聴者から
「公営放送のKBSでこのような不公正な解説をしてもいいのか。いくら日本が勝つのが気に入らなくても、解説は公平にすべきではないのか」
「韓日戦でもないのにこのような不公正中継をするなんて。解説者ならもっと中立性を守って中継するべきだ」
といった批判のコメントも寄せられているようだ。そんなことを言ってくれる視聴者のかたにはほんと、感謝したいけれど、この解説者は、例外的に彼だけがそんな発言をしたのではないというところが重要だ。KBSが話題になっているわけだが、それはMBCだろうとSBSだろうと皆同じなのだ。心の底に「日本が負ければいい」という気持ちが知らず知らず潜んでいるからだ。
それにはいろいろな原因が考えられる。一つ。歴史的な観点から常に日本に対して反発心があるから。一つ。韓国が16強に行けなかったのに日本だけ行ってまた勝ったら韓国がさらに下になってしまう。日本の下になるのは死ぬよりもいやだから。いろいろあるなかで、この二つの観点が重要なところだろう。