【書評】1K6畳、27000円。事故物件に住んだら人間はこうなる

 

最初に住んだマンションでは、何か不思議な現象が起きないかと、常に部屋の中をビデオカメラで撮影を続けた。初日からオーブと呼ばれる丸い発光体が映り込み、そのうち布のような浮遊物が映った(画像掲載あり)。このマンションは有名な殺人事件があってから事故物件と認定されたが、住民が幽霊を見る、車にひかれるなど、ずっと前から何かがあるトンデモ物件だったと知った。

町の不動産屋で「事故物件ありませんか?」と聞く、怪し過ぎる男だ。破格に安い物件が三つもあった。その理由は「漢字二文字で、としか言えません」とのことで、殺人、自殺、病死のあった部屋だと理解し、迷わず殺人部屋を選択した。水中でしゃべるような変な電話がかかってくる母親を殴打し浴槽に沈めて殺した、精神病の息子の部屋だったと判明する。すると、その母親からの電話か? 退去してから判明したのだが、直近の路上通り魔の犯人がその息子だった。

三件目は事故物件の部屋が確保できず、真下の部屋(普通物件)に入居。まったく何も起こらず一年後に退去したが、その直後、事故物件の部屋の住人が自殺した。正式な三件目、女性がドアノブ首吊りで死んだ部屋。部屋にいると頭痛、体調最悪、些細なことでイライラする。「大島てる」サイトで調べると、前の前の住人がロフトで首吊りしたと判明する。二重の事故物件だった。

四件目は1K6畳、27,000円と超破格。薬の過剰摂取で女性死亡。部屋に入ったとたん動けなくなり、気絶。強烈な倦怠感に襲われ気分が悪くなる。数回しか行っていない。五件目は自殺者の出た部屋、著者が入れば事故物件ロンダリングで、彼の次の入居者には前の前の住人の自殺は告知しなくていいのだ。この部屋では、寿命が刻一刻と吸い取られているような倦怠感に襲われる。

その後のページで、事故物件間取りギャラリーがあるが、どうにもこじつけっぽい。核心は部屋そのものである。間取りではない。この本のタイトルは間違いである。残りの3/4くらいが著者の取材した「こわい話」集である。といっても、そういう話が大好きなわたしは楽しめた。さすがに眠る前には読まないが。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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