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なぜ人に親切にすることが禁煙や運動より健康長寿につながるのか

健康寿命という言葉を知っていますか?健康寿命とは、健康な状態で過ごせる期間のことです。「長く生きたい」より「長く健康でいたい」と思いますよね。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では、著者でマンション管理士の廣田信子さんが、健康寿命を延ばすために必要な人との関わりについて詳しく解説しています。

健康寿命を延ばすためのすてきな循環とは?

こんにちは!廣田信子です。

健康寿命をどのようにして伸ばすか…様々な研究がされています。科学の進化で、精神論だとか、非科学的な伝承だと言われてきたことが、実は科学的なエビデンスがあることだと分かってきましたね。

そのひとつですが…人間は、戦いのモードになると戦闘モードのホルモン物質が血液中に出ます。怪我による細菌の体内への侵入に備えるため人類の歴史の中で獲得してきた仕組みです。それは、ストレスホルモンでもあり、その状況が続くと、その物資が自分の体の血管等を攻撃することとなり、脳梗塞等の原因になることが分かっています。人間関係の紛争を抱えているとストレスホルモンが自分自身の健康寿命を縮めることにつながるのです。

では、人間関係のストレスを抱えないように人とかかわらずに生きていれば、健康に長生きできるかというと、そんなことはないのです。人間は、進化の過程で、仲間と力を合わせることで自然や敵と戦い、生き残ってきました。ですから、人とのつながりをなくすと恐れが生じます。一人でいることは、即、命の危険に晒されることだったからです。

ですから、今でも、人とのつながりがないと、戦闘モードのホルモン物質を抑えることができなくなり、やはり健康寿命を縮めることになるのです。孤立が健康寿命に大きな影響があることが科学的に立証されたのです。

NHKの番組で、実際に研究機関で行われたある実験が紹介されていました。

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健康な高齢者を3つのグループに分け、A~Cそれぞれの課題に毎日取り組んでもらい、健康寿命を縮めるストレス物質の変化を調べたのです。すると、驚くことに、あるグループだけに顕著な変化が見られたのです。その3つの課題は…

A.人に親切にする

B.世の中のためになることをする

C.自分が楽しめることをする

一番、効果があったのはどれだと思われますか。どれも、ストレス物質が減りそうな「いい生き方」のように思いますよね。

答えはA」でした。本当に「人に親切にすることがダントツで効果が高いのです。でも、AとBは何となく似ている気がしませんか。

Aは、荷物を持ってあげたり、道を譲ったり手作りのお菓子をお隣に届けたり…相手に何か喜ばれることをする。Bは、空き缶を拾う、公園の清掃をするといった、どちらかというと、誰も見ていなくても、感謝されなくても、世の中のためになることを何かする。そんな違いがあります。

Bの、誰も見ていなくても、感謝の言葉がなくても、という無償の行為の方が高尚で、魂のレベルでは、AよりBの方が徳を積める行為のように思いますが、体がよい反応するのはAなのです。人とかかわり人に感謝されることで人は安心を感じストレス物質を減らすのです。

「人に親切にする」「人に感謝されることをする」という行為には、それが、自分のためであっても効果があるのです。なぜなら、人に親切にすることで、間違いなく、相手との関係はその瞬間は良好になり、その人との良好な関係に脳が安心し、体によいホルモンを出すのです。人間の肉体は神様の世界魂の世界より実利的にできていることにびっくりです。

また、世界中で行われている様々な実証実験の結果からみると、健康寿命によい影響を与えると言われる、「運動をする」「喫煙をしないというようなことよりも、「人とのつながりがあることの方がダントツで効果が大きいことも紹介されていました。これらのことだけを見ても、人にやさしい「行為」や「口にする言葉」というのは自分自身のためにも大事なんですね。

これは、決して科学的な根拠がない精神論ではないのです。だから、自分の健康寿命を延ばすためであってもいいから、人にやさしい言葉を口にしたり、何かちょっとした手助けや人に喜んでもらうために少しの時間を使うことを意識してやってみませんか。1日、3つを目標に(これは、前述の実験時の課題です)!

さて、これを実行しようと思うと、必然的に人とのいいかかわりが生じます。小さなことでもいいのです。ベビーカーに道を譲る、道に迷っている人を見かけたら声をかける、マンションの掃除をしてくれている人に「ご苦労様」と声をかける…「ありがとう」や「笑顔」が返ってきそうなことが何かできそうですよね。

健康寿命を延ばすために、人に親切にすることをゲームだと思ってやってみる。それが結果的に孤立を防ぐ。孤立しないことが、健康に長生きすることにつながる。なんだか、すてきな循環だと思いませんか。しかも、まったくお金がかかりません(笑)。マンションの中でも挨拶運動を少し進めて、やってみませんか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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