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なぜ、人は「こんなの見たことない!」という商品に群がるのか?

毎回様々な繁盛のためのノウハウをわかりやすく紹介する無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』。今回は、著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、常識に囚われない、ユニークな発想がヒット商品を生んだ事例を紹介しています。

■「炙り」の魔術

焼きいなり(寿司)」をご存知でしょうか。白飯をはじめ、混ぜご飯や赤飯などを製造販売する企業が作っている、いなり寿司です。うす揚げを焼いてからご飯を詰めるという、ちょっと変わった作り方をしています。空弁として人気が出て、冷凍品の通販もしています。また、テレビ番組で紹介されたことで、さらに注目が集まっています。

いなりの中身は、「鶏ごぼう」「ちらし」「ホタテ」「金時いも赤飯」「五穀米」の5種類。どれもあまり見たことのないもので、食欲をそそられます。

ただ、中身をアレンジするのは、珍しいことではなく、どちらかというとありがちな発想です。この商品が注目を集めるのは、うす揚げを「焼く」ことにあります。見ためは、いなり寿司を炙っているようにも見えます。

にぎり寿司やチャーシュー、スイーツなどでは、表面を炙る演出&調理法はありますが、いなり寿司では見たことがありません。ここに、珍しさ・意外性があります。「こんなの見たことない」と消費者が感じるものは、興味の対象であり、新しい流行にも成り得るのです。

ならば、さまざまな料理を炙ってみてはどうでしょう。炙りショートケーキ、炙り親子丼、炙りうどん……。チャレンジする価値はあります。

■チョコレートコロッケ

京都・錦市場にあるお肉屋さんでは、「チョコレートコロッケ」が、1日1,000個以上売れることがあります。

十数年前、何かお店の特徴になるものはないかと考え、冗談半分でコロッケにチョコレートを入れてみたところ、小中学生にバカウケしました。そして現在、訪日外国人にウケて、大人気となっています。

常識的な考え方に囚われず、冒険したことで、大ヒットとなったのです。

■京橋駅のフランクフルト

京阪電車京橋駅のホーム売店では、フランクフルトがよく売れています。京橋駅と言えばフランクフルト、と言われるほど、昔から人気のある商品です。

昼間は学生たちによく売れるのですが、夕方6時半頃からは、別の客層が集中します。会社帰りのおじさんたちが、缶ビール・缶チューハイと一緒に、フランクフルトを買い求めるのです。売店周辺で、「ひとり宴会」が始まるのです。あまり上品な光景ではありませんが、サラリーマンの悲哀を感じさせます。

駅の売店でフランクフルトを売るという、ユニークな発想が、極めて珍しい市場を生み出したのです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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