アメリカ大誤算。イラン制裁で進む米離れに雀躍の中ロ両首脳

 

バカげた制裁

この制裁、「戦略的にみるとどうなのでしょうか?私は、「大変バカげていると思います。アメリカは、中国と「覇権戦争」をしているのでしょう?それなら、ターゲットは中国にしぼるべきなのです。AIIB事件で覚醒したオバマさんは2015年、まずロシアと和解し、ウクライナ、シリア、イラン問題を次々と鎮静化させていきました。それでターゲットを中国にしぼり大バッシングを開始した。結果、中国経済は2015、2016年、とても悪かったのです。

トランプさんは、IAEAが「イランは合意を順守している」と宣言しているにも関わらず、合意から離脱して、イラン制裁を再開する。本来はアメリカの味方であるはずのイギリスフランスドイツはアメリカの敵であるロシア中国と一体化して、アメリカの合意離脱と制裁に反対している。つまり、トランプさんの制裁が、欧州と中ロを結びつけてしまっている。誰が一番喜んでいるのでしょうか?いうまでもなく習近平、そしてプーチンでしょう。

日本には、トランプファンが多いのですね。彼が「中国を打倒する!」と決意していることは、歓迎されるべきことかもしれません(日本も経済的打撃を受けるが)。しかし、そのこととトランプが「戦略的な人なのか?」は、違う問題ですね。

このイラン制裁。アメリカのパワーが強いので、「うまくいっている」ように見えるかもしれない。しかし、イラク戦争同様、いい結果にはならないでしょう。

image by: Evan El-Amin / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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