講師は、メンタルブロックを外すのは、簡単なことではないが、この事例は、奥さんに先入観がなかったから、すぐに行動が変わったのではないかということでした。きっと、奥さんの感情の中で、午前中は、「試食を受け取ってくれなかったらどうしよう」などというメンタルブロックによって、試食を勧めることが難しかったのではないかと思います。午後は、講師から伝えられた言葉(お客様の幸せのため)によって、奥さんの感情のメンタルブロックが外れ、積極的な行動に変わったのではないかと感じました。
私たちは、自らの行動そのものを変えようとしたり、相手の行動を変えてもらおうとしてしまいがちです。「まず、行動そのものを変える」という考え方もありますが、それで行動が変わるということは、その行動の前段階の感情が、肯定的だったと捉えることもできます。
逆に、行動そのものに焦点を当てて変わらないということは、その行動に対する前段階の感情が、否定的な状態と言えるのではないかと思います。そこで、講師も述べていたように、すぐには難しいものの、その物事に対する“感情の書き換え”が必要になります。
例えば、「営業」に対する感情として、大変、忍耐、断られるなどといった感情があると、なかなか行動にうつすことが難しくなります。講師自身も、営業などに対する感情としてネガティブな感情もあったそうですが、今は、営業に対する感情として、「待ち望んでいるお客様にめぐり合うための手段」と捉えているそうです。
聴講した研修の中で、講師からの講義や事例を聴いて、行動そのものを変えるという視点に加えて、その物事に対する自分の中での感情に焦点を当てて、その感情を肯定的にしていくことが大切だと思いました。感情の書き換えは、すぐには難しいものの、物事に対して肯定的に捉えることを習慣化していくことが大事になってくるのでしょうね。
image by: Shutterstock.com