小さい手だからわかった。小さめスマホを大きく感じるカラクリ

 

おそらくこの形状の違いが新機種の方を大きいと錯覚させる原因となっているのであろう。つまり、機種そのものが小さいために手のひらへの収まりがよくなり、そのために却ってスマホ全体の形状が手のひらの感覚として記憶に残り、新旧の違和感を生じさせたという訳である。言うまでもなく直線的加工はラウンド加工ほど自然に指が回り込むことを許さないから手のひらでのホールド感は落ちる。その分、結果として大きく感じるのであろう。

ということは、逆に大きいタイプのスマホの方がより違和感なく機種変更できるのかもしれない。何故なら、もとよりスマホ全体の形状を手のひらへの収まりを基準にして意識することがないからである。これはちょっと皮肉な話である。

思えば自分は、結構手なぐさみにスマホを手のひらの中でパタパタとトランプのように回していたりする。そうしているうちに知らず知らず、手がスマホに馴染んでいったに違いない。そのような者が手に馴染むスマホを求めること自体、実はおかしなことなのかもしれない。

そういう訳で、今日もまだ慣れない危うい手つきで新しいスマホをパタパタやっている次第である。

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ここにあるエッセイが『8人ばなし』である以上、時にその内容は、右にも寄れば、左にも寄る、またその表現は、上に昇ることもあれば、下に折れることもある。そんな覚束ない足下での危うい歩みの中に、何かしらの面白味を見つけて頂けたらと思う。

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