近年、特殊詐欺は急速に高度化・複雑化しており、単一の手口ではなく、複数の手法を組み合わせた“複合型詐欺”が主流となりつつあります。悪質商法のジャーナリストである多田文明さんは自身のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』で、2つの事例をもとに、現代詐欺の構造的な変化と、その背景にある問題点について考察しています。
80代女性の12億円の詐欺被害は、現代詐欺の手口を集約させたために起きたとみる理由
80代女性から12億円をニセ警察官詐欺の手口で奪ったのは、現代の詐欺の手口が集約されたような形だったゆえに、これだけの被害になったのだと思っています
ニセ警察官詐欺の多くは、ネットバンキング口座からの送金をしてお金をだましとろうとします。しかし高齢者の場合は、口座を持っていませんので、まず開設をさせるところからスタートします。
すでにニセの警察官から「逮捕される」などの言葉で恐怖心を抱かせられていますので、口座開設の誘導は容易にできるようになっています。
80代女性はまず1億円をネットバンキング口座に入金させて、5000万円の暗号資産を買わせていますので、口座も暗号資産のアカウントも作らされたと推察します。
銀行は女性の入出金の状況に不信感を抱き通報しますが、警察は問題なしとします。
それにより、さらなる犯罪グループの魔の手が女性に襲いかかることになりました。
詐欺を防ぐための最後の砦である金融機関やコンビニの踏ん張りが重要な時代
おそらく80代女性は相当な資産家であり、1億円ほどの入金や5000万円を暗号資産に使うことは、資産の一部なので警察としても「問題はない」と考えたのではないかと思います。
ここにマインドコントロールされている人から話を聞き取り、不正だと判断することの難しさも感じます。
口座はおそらく凍結されていないと思われますので、詐欺グループはこの口座に方々からお金を集めて、投資用の口座のように見せかけたのではないかと思います。
これまでは貴金属店で金塊を買わせていたのですが、この犯罪グループは、新たな手に出ました。
詐欺グループはニセの土地建物売買契約書を高齢女性に送り、それを金融機関にみせて、多額の送金を行ったのです。
しかも送金先の口座もまた、3億円の被害に遭っている女性ということで、被害者を手足に使って詐欺を行うというものでした。
詐欺グループは、詐欺を防ぐ金融機関などをいかにして、だますのかを考えています。
たとえば多額のお金を窓口から引き出すのに、被害者に喪服を着させて、「お葬式代」と言わせることもあります。
金融機関やコンビニなどの詐欺を防ぐ最後の砦における犯罪グループとの攻防は激しくなってきています。
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