話を聞けば聞くほど、管理組合の味方の顔をして、その信頼を逆手にとってこんなことをする不適切コンサルタントの罪深さを思います。
管理組合という組織の性質、弱点を上手に利用して利益を出す仕組みを作り出しているのです。
と同時に、今回、談合する施工業者も悪いというのは簡単だけど、こんな状況の中で、営業活動をして、仕事をとっていかなくてはならない施工会社はたいへんだな~と正直思いました。
もうこんなことはやめようとクリーン宣言をしてバックマージンを払わないことを明確にした施工業者は、コンサルタントから外されて、仕事に応募ができずに厳しい状況になっている現実もあるといいます。
設計コンサルタントにとって、「バックマージン」は禁断の果実のようなものです。実際の仕事をしなくても、大きなお金が入ってくるのですから。
管理組合相手の設計コンサタントの仕事は、そんなに楽な仕事ではありません。
すべて人が関わる仕事ですから、できる量には限りがあり、誠実に仕事をすればそんなに利益の上がる仕事でもありません。
それでも、仕事に誇りを持っている専門家は、絶対に禁断の果実に手を伸ばしません。
一方、一度、禁断の果実の味を知ってしまったら、そこから向け出すのは、そんなに簡単なことではないのです。それを前提に会社が成立しているのですから。
一方、施工業者にとって、仕事を取り続けるということは本当にたいへんなことだと思います。
仕事がこなくなる恐怖から、コンサルには逆らえず、談合から抜け出せない現実があるのです。
だから、これだけ問題になっても、まだ、このような現実がなくなりません。
でも、少しづつは変わってきていると思います。
こんな本音満載のセミナーが開かれ、施工業者が自ら実態を語るようになったのですから。
業界の体質を変えていく一番の力は、管理組合が賢くなることです。
管理組合という組織の弱点を知った上で、どうすれば、管理組合を不適切コンサルや談合による損失から守ることができるか…それは、明日、改めて考えたいと思います。
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