当サイトでもこれまで、「ここ2年、上海に起きた『進化』が日本を完全に周回遅れにしている」などで度々お伝えしてきた中国におけるキャッシュレス化の流れですが、その進化はとどまることを知らないようです。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では著者で世界的エンジニアの中島聡さんが、上海を訪れた氏の友人が個人レストランで体験したという究極の「QR決済」を、「素晴らしいイノベーションの実例」として紹介しています。
※ 本記事は有料メルマガ『週刊 Life is beautiful』2019年2月19日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:中島聡(なかじま・さとし)
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。
さらに進化する中国のキャッシュレス・ライフスタイル
去年、中国に行った時に、キャッシュレス社会が一気に進んでいることに関してレポートを書きましたが、そこからわずか1年弱の間にさらにもの凄い勢いで進化したそうなので報告します。
上の写真は、先週、上海に行った私の知り合い(日本に暮らす中国人)が撮影して来たものです。夫婦二人で経営している小さなレストランに入ったところ、このQRコードが貼り付けてあったそうです。席についてこれを撮影すると、WeChatPayアプリが立ち上がり、さらにその中でミニアプリが立ち上がり、このレストランのメニューが表示されたそうです。
メニューには、中国語・英語・日本語が用意されており、食べ物はそこから注文します。つまり、ウェイター・ウェイトレスは不要なシステムです。少しすると、料理が直接テーブルまで運ばれて来ます。QRコードに、どのテーブルかという情報まで含まれているため、キッチンで調理を手伝っている奥さんが直接運んで来てくれるのです。
支払いは、アプリから注文した際に済んでいるので、食べ終わったら店を出るだけです。全部で30分もいなかったそうです。
つまりまとめると、
- 客は素早く簡単に注文出来、支払いの手間もないので心地よい
- レストランは人件費が節約できる上に、テーブルの回転率が良いので儲かる
という、本当にwin-winな状況が作られているのです。