報道されない米攻撃部隊のアジア集結。中ロ沈黙で窮地の北朝鮮

 

では、そのような際に日本はどうでしょうか?まず拉致問題については、直接的かつ迅速な解決は望めないと思いますが、第1回首脳会談と同じく、トランプ大統領が拉致問題の解決の重要性を強調することには変わりないと思われるため、何らかのブレイクスルーが起こるかもしれません。

また、メディアでは悲観的かつ絶望的な見方が多数を占めていますが、実際には水面下で日朝首脳会談に向けた調整も行われており、北朝鮮の経済的な発展へのサポートの見返りに、拉致問題に関わる様々なイシューに対する“答え”を得るという折衝も続けられていますので、第2回米朝首脳会談に対しては大いに期待していることと思います。

落としどころについては、完全に推測になってしまいますが、恐らく北朝鮮がICBMの開発を凍結し、かつすでに保有するICBMを破棄することで、対北朝鮮“合意”を得るかもしれません。それは、トランプ大統領のアメリカにとって大事なことは、実際の北朝鮮の完全な非核化よりも、北朝鮮問題で何かしら成果を得たという、大統領選に向けたアピール材料に過ぎないという側面ゆえです。

そして第2回米朝首脳会談が終わる2月28日は、いみじくも米中貿易戦争における報復関税猶予期間の最終日ですので、第2回米朝首脳会談の結果は、米中が様々な局面で争う新冷戦時代に大きな影響力を与えることにもなりかねません。

もう数日足らずでその運命の会談は開催されますが、どのような結果になるのか、固唾を飲んで見守りたいと思います。

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