「年金貰えるか不安だし滞納しよう」が引き起こす恐ろしい結末

 

ちなみに滞納していた保険料分だけが銀行口座から差し押さえというものではないです。例えば20万円滞納していたから、銀行口座500万円から滞納分差し引いて480万円になるわけじゃない。銀行口座残高全てが差し押さえられるから一旦口座が凍結される。お金を差し押さえというか、債権を差し押さえるからそうなる。

銀行にお金を預けてるというのは、銀行に対して債権があるって事。債権というのは貸したお金を返してもらえる権利の事。銀行に預けたらお金引き出して返してもらえますよね。まあ、預金者のお金は企業とかに融資されてますが…。

その後、滞納分の保険料と延滞金年利14.6%分が残高から引かれて銀行口座に返還される。だから「国民年金保険料なんて絶対支払わねーよo(`ω´ )oプン!」って強がってても、差し押さえで強制徴収される。高額な延滞金と共に。

しかもお金が強制徴収されるというだけでなく、もっと深刻な事は経済的信用を失いかねないという事。差し押さえされると今取引してる銀行だけでなく全ての銀行との取引が出来なくなる場合がある。

いやもう…差し押さえされるような人じゃ、銀行側から見たらお金を貸してもちゃんと返してくれない人とみなしますよね。銀行としてはそんな危ない人にお金貸したくない。特に経営者にとっては銀行と取引できないというのは致命的な事になりかねないので、国民年金保険料の未納には特に気を付けたい。

支払いが困難な場合は保険料免除制度があるので市役所や年金事務所に相談しましょう。何も支払おうとする行動をしない事が一番危険です。

追記

国民年金保険料は世帯主、配偶者も連帯して支払う義務があるので、これらの人が滞納してると差し押さえの対象になる。また、本人自身の国民年金保険料を滞納し続けた結果、支払い連帯義務のある世帯主や配偶者の財産が差し押さえられたら家族間の深刻なトラブルになってしまう事もある。

年金アドバイザーhirokiこの著者の記事一覧

佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
その翌年に民間企業を退職してから年金相談の現場にて年金相談員を経て統括者を務め、相談員の指導教育に携わってきました。
年金は国民全員に直結するテーマにもかかわらず、とても難解でわかりにくい制度のためその内容や仕組みを一般の方々が学ぶ機会や知る機会がなかなかありません。
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