堕ちた法の番人。横畠長官の大失言で判る政権の「俺たち偉い病」

 

なぜ、横畠長官は余計な言葉を発してしまったのか。相手が小西議員でなかったとしても同じだっただろうか

振り返れば、小西議員は2014年10月16日から15年9月4日まで計9回にわたり、横畠長官と国会でバトルを繰り返してきた。そのもとをつくったのはもちろん、集団的自衛権をめぐり恣意的に憲法解釈を変更した安倍政権であり、総理の意向を忖度して変節した横畠長官自身だ。

積み上げてきた法解釈の連続性、整合性を、変転しやすい政治の動きから守ることが内閣法制局の伝統的な姿勢だった。長官に就任する前の横畠氏もその魂を引き継いだ一人と見られていた。

安倍官邸は、法制局の精神的伝統に風穴を開けて憲法解釈を変えるため、法制局長官の人事に手を突っ込んだ。2013年8月、外務省出身で集団的自衛権行使に前向きな小松一郎氏を内閣法制局長官に据えた。外務省からの異動は前例がない

次長に甘んじることになった横畠氏はさぞかし悔しかっただろう。元検事で、1999年8月に法制局に出向、第二部長などを歴任し、長官ポストが確実視されたエースだ。

第1次安倍内閣が「安保法制懇」を設置したさい、第二部長の横畠氏は、宮崎礼壹法制局長官とともに「集団的自衛権を強引にやるなら辞表を出す」と迫ったことがある。法制局官僚としての気概を示していたのだ。

その人が、小松氏の病気による退任を受け、2014年5月、法制局長官の座に就いたとたんに豹変し安倍官邸にすり寄った

アメリカが攻撃を受けたら助太刀にはせ参じることができるよう憲法解釈を変更した2014年7月の閣議決定に何ら異議をさしはさまず、内閣法制局が守ってきた法解釈の連続性をあっさり捨ててしまった

閣議決定後の7月14日、衆院予算委員会において横畠長官は、解釈変更の屁理屈を平然と語った。

「憲法第9条のもとでも例外的に自衛のための武力の行使が許される場合があるという昭和47年の政府見解の基本論理を維持し、これに当てはまるのは我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるとしてきたこれまでの認識を改め、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合もこれに当たるとしたものであり…」

小西議員は集団的自衛権や、安保法制について、横畠長官と論戦を重ねてきたが、そのつど「長官は答弁拒否をしている」となじった。

横畠長官が、理詰めの攻防を挑む小西議員の質問とあえて噛み合わない答弁を繰り返したからだ。

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