陰謀説も浮上。誰がJOC竹田会長を「6月退任」でクビにしたのか

 

外圧に押し切られた

【毎日】は1面中央付近に「竹田退任」の本記。そこから3面の解説記事「クローズアップ」と社会面に流す形。1面記事がトップであればオーソドックスなスタイルだが、そこには公立福生病院関連のスクープ(都の立ち入り検査報告内容)が収まっている。

uttiiの眼

「竹田退任」に関しては、繰り返しになるが、1面中央から3面、社会面での扱い。主な内容は3面「クローズアップ」にまとめられている。

リードに示される《毎日》の認識は、「竹田会長退任」を、飽くまで「東京五輪・パラリンピック招致を巡る疑惑の進展として位置づけられていること。この点では「幕引き」を戒めていた《朝日》とも共通する。さらに、《毎日》の特徴は、竹田氏退任の要因を「外圧と単純化して捉えていて、「竹田氏は一貫して潔白を主張するが、外圧に押し切られた格好だ」と言っている。ここは「内外の要因」を細かく列挙していた《朝日》と大きく違うところ。

では「外圧」とは何か。

竹田氏が退任を切り出す数時間前、政府関係者は「退任のボタンを押したのはIOC表には決して出てこないけどね間違いない」と語ったという。そのような発言をする政府関係者は一人ではないとも。

IOCのバッハ会長は、竹田氏をIOC委員として重用し、「推定無罪」と高を括っていたというが、捜査の進展で温情が消え、水面下で「ノー」を突きつけ始めていたとする。「若者のスポーツ離れやドーピングなどの不正で『五輪ブランド』は傷ついている」として、招致を巡る不正はリオ大会でも起きたばかりだったので、これ以上のリスクを嫌ったのだと。

「クローズアップ」の後半は、疑惑の火種について。仏当局の捜査が続く以上、招致委がカネで投票を買った疑惑はついて回る。JOCは16年9月に調査チームの報告書で「違法性なし」としたが、この調査チームには「独立性・中立性に問題がある」(第三者委員会報告格付け委員会による指摘)と言われるような代物。竹田氏が会長を辞めれば終わりというわけにはいかないとする。

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