竹田氏以外にも捜査の手が及ぶ?
【東京】は1面トップが「竹田退任」の本記で、記者による「解説」が付いている。関連は2面の解説記事「核心」と5面社説、12面、社会面31面に及び、フルスペックと言って良い大きな扱い。
1面には再審開始の記事もあるが、記者会見した元看護助手の西山美香さんの笑顔の写真が掲載されている。2面は「竹田退任」の解説と並んで、玉城デニー沖縄県知事が首相と会談した記事が写真付きで載せられている。
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「竹田退任」の記事の構成については上述した。解説的な内容で重要なのは2面の「核心」。
竹田氏が退任するのは、「イメージダウンを懸念する大会組織委員会などの圧力に屈した形だが、フランス当局の捜査は進行中。竹田氏に留まらず、多方面に捜査が及ぶ可能性も否定できない」とする。《朝日》とも《読売》とも《毎日》とも違う要因分析になっている。
記事が最初に強調するのは、「突如として先週、『退任は不可避』と各メディアが報道」、竹田氏を支持していたIOCも「退任を求めている」とされた、という。それまでは「推定無罪」などとして、続投が基本路線だったと。JOCの幹部は「竹田さんと対立する組織委や政治家の一部がうその情報を流し、規定事実化させたのではないか」と陰謀説を語っているようだ。「うそ」とは、「6月に捜査が動く」という出所不明の噂のことを指しているもよう。
ただ、海外では実際に動きがあることも確かなようで、JOCから2億3,000万円のコンサル料を受け取ったシンガポールの会社代表、イアン・タン氏が、「IOC委員の親族が所有する企業との不正取引をめぐり、捜査当局に虚偽説明をしたとして、シンガポール地裁から禁固1週間の有罪判決を受けた」らしい。この「IOC委員の親族」というのが、東京五輪招致疑惑でも収賄側と見られているパパマッサタ・ディアク氏。「両氏の不適切な関係が明らかになった格好」とする。
思うに、この情報は当然、仏当局も把握しているだろうから、東京五輪招致疑惑との接点が出てくる可能性は実際にあるだろう。
もう1点。招致委の当時の幹部は「海外のことは分からない」と知らん顔を決め込み、全責任を竹田氏に押しつけるような雰囲気だというが、フランス法の専門家によれば、捜査は「長期にわたり金銭の流れが調べ上げられている。竹田氏が公判請求される可能性は高いのではないか」としたうえで、「他の招致委のメンバーも関わったとみなされれば、共同正犯として捜査の対象になることもありうる」(南山大学の末道康之教授)と。招致委の元幹部らがこれを聞いたら、背筋が寒くなるような話ではないか。
image by: チームがんばれ!ニッポン!(Japan Olympic Team) - Home | Facebook