そんなバカな。消えた年金記録が見つかり受取額が減る不条理も

 

あのー、この人って72ヶ月分の厚生年金期間が見つかって平成18年11月までの272ヶ月分の厚生年金期間になりましたよね。ただし、障害厚生年金はそれより多い300ヶ月で最低保障されてるから月数は変わらず300ヶ月

じゃあ何が変わるかというと、給与平均標準報酬月額の部分ですね。

平成15年3月までは平均が28万円って事になりましたが、過去の低かった22万円を組み込む事になりました。とりあえず(28万円+22万円)÷2で平均すると25万円になる。という事は給与の平均値が下がってしまって年金額自体が減ってしまう事になります。

  • 障害厚生年金2級→(25万円÷1,000×7.125×228ヶ月+34万円÷1,000×5.481×44ヶ月)÷272ヶ月×300ヶ月=(406,125円+81,996円)÷272ヶ月×300ヶ月=538,369円

となって、過去の年金記録が見つかる前より下がってしまいましたよね^^;。ちなみに障害基礎年金額は定額だから変わらない。見つからなければよかったー!という場合は、年金記録の訂正をしない事ができる。訂正しなければ障害年金が下がる事は無い。

障害年金額を下げずに済んだけど、この人の場合は別の問題が生じる。それは自分が老齢の年金を貰う事になった時ですね。こちらは年金記録が見つかると特に何もなければ増える。この72ヶ月が見つかった事で、全厚生年金期間は447ヶ月→(385ヶ月+72ヶ月)となる。昭和59年4月から60歳前月の令和3年6月までの447ヶ月。なお、平成15年4月から令和3年6月までの平均給与は38万円とします。

  • 65歳からの老齢厚生年金→22万円÷1,000×7.125×72ヶ月+28万円÷1,000×7.125×156ヶ月+45万円÷1,000×5.481×219ヶ月=112,860円+311,220円+540,153円=964,233円
  • 65歳からの老齢基礎年金→780,100円÷480ヶ月×447ヶ月(20歳から60歳までの年金期間)=726,468円

65歳からの老齢の年金は、

  • 老齢厚生年金964,233円+老齢基礎年金726,468円=1,690,701円

となる。障害年金総額1,369,923円<老齢の年金総額1,690,701円となって、将来は老齢の年金を貰ったほうが得になりますよね。しかし年金記録を訂正しなければ、今現在の障害年金総額は保障されるが、将来の老齢の年金は72ヶ月分の厚生年金112,860円と72ヶ月分の基礎年金117,015円の合計229,875円を減らす事になる。

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