【書評】現役医師が明言「口腔ケアを怠らなければ長生きが可能」

 

すべての病気を克服してしまうのが「医療の完成」だとするなら、現在は9合目まできている。9割ではない。現在の人間は、病気だけでは「死ぬ理由」がなくなりつつある。だが、残りの1合には何があるのか。「あと少し」であり「もっとも困難な課題が待っている」というニュアンスが含まれる。

それは、発見・アプローチが難しい病気症例が圧倒的に少ない病気急死の三つにあてはまるものだ。たとえば膵臓がん、胆管がんなどである。自覚症状が現れにくく目立たず、病状が進み数値の異常として現れる頃にはかなり状態が悪くなっている。症例が少なく社会的関心が低い病気には、公的な予算が投入されない。急死は、大動脈解離、くも膜下出血、急性心筋梗塞などである。

医療を取り巻く制度にも問題がある。それは公的医療制度である。そこには二つ特徴がある。病院への「フリーアクセス」と「国民皆保険」である。前者は、「誰でもあらゆる病院に行って診察を受けることができる」という、世界にも珍しい制度だ。軽微な症状なのに、高度な医療技術を持つ大病院に行く患者がいる。医療が非効率化して、一部の病院や医師に過度の負担がかかっている。

高度で高額な様々な医療の登場と少子高齢化の影響で、現行制度は青息吐息、とうてい未来永劫続けられる状況にはない。所得に応じた医療の最適化を図るのは必然の流れだ。多くの人が納得できる欧米型の民間医療保険が登場する時期に来ている。最後の1合を攻略する方法論は見えている。

人生100年時代が目前だという。健康問題に過度に気を使わなくても、長生きができるようになるらしい。「死ねない時代の到来だ。医療の進歩でもたらされる時間を、どう過ごせばいいのか。好むと好まざるとにかかわらず、長い長い人生をいやでも生きなければならない。そんなのまっぴらごめんだが。

著者は不死時代の恩恵を享受するための注意点を挙げる。死なない意志があること、死なないための充分な健康に気配り(不死時代に入場する努力)をする、不死時代の恩恵が受けられない例外的疾患にかからないこと(運)、これに尽きる。といわれても、金がなくては絶対に無理な話だし、100歳で元気な老人なんて、子孫に迷惑だと思う。わたしは遠慮しながら生きるなんて絶対イヤ。

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