利き目と利き手が左右逆な人に告ぐ。ダーツや射撃は利き目に従え

 

おそらく利き手利き足と、そうでない方の手足の性能差はもともといくらもなく、最初にどちらを使うかといった順番の違い程度のものなのではないだろうか。考えてみれば、利き手でなければならない作業や運動というのは一本の手しか使わない作業に限られるような気がする。書くという作業が典型である。

逆に何らかの形で両手両足を使う作業は、利き手利き足を選ばない。一番分かり易いのが車やバイクの運転である。左利きだからという理由で左ハンドルでないと困るといった類の話は聞いたことがない。人間の手足はかくも順応性に長けているのである。

一方、入力のみをその機能とする目や耳は融通が利かない。例えば、野球などのスポーツで右利きの選手が左打ちに変えるというのは珍しいことではない。然るに、利き目を右から左へ(勿論その逆も)スイッチすることは不可能と言われている。訓練によりそれに近い状態にはできるらしいが、飽くまでそれが限界である。

こういった利き目利き手の問題を無視できないのがターゲットを狙うタイプのスポーツである。具体例を挙げればアーチェリー、ダーツ、射撃などである。これらの競技に関しては長らく「利き目に合わせるべきだ」という意見と「利き手に合わせるべきだ」という意見に分かれていた。現代のスポーツ科学では選手のパフォーマンスデータから、利き目に合わせて利き手を変えた方が圧倒的に有利であることが分かっている。

15%の少数派の人たちがこれから上記のようなスポーツを始めるのなら器用な手足ではなく不器用な目のことを是非思いやって、最初は使いづらいであろう手や足に頑張ってもらうという道を賢く選択してもらいたいものである。

image by: Akiko Nuru, shutterstock.com

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ここにあるエッセイが『8人ばなし』である以上、時にその内容は、右にも寄れば、左にも寄る、またその表現は、上に昇ることもあれば、下に折れることもある。そんな覚束ない足下での危うい歩みの中に、何かしらの面白味を見つけて頂けたらと思う。

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