500年前から世界を支配してきたヨーロッパはなぜ衰退したのか
コロンブスがアメリカ大陸を発見したのが1492年、バスコダガマが喜望峰を回ってインド航路を発見したのが1498年、つまり、ほぼ西暦1500年にヨーロッパ(最初はスペインとポルトガル、後にオランダとイギリス)が全世界に進出し始め、その後450年にわたり、南北アメリカでは現地人を虐殺、アフリカでは奴隷獲得、そしてアジアでは植民地化を行って、全世界を支配してきました。
なにしろ、合計してもブラジル一か国にも及ばない地域にすむ白人(アーリア人)が全世界の10億人規模の人たちを支配したのですから、一人当たり10人ぐらいの「働く人」を得たヨーロッパが豊かになったのは当然のことです。近代ヨーロッパで大きく発展した音楽、絵画、文学、哲学、技術などはいずれも素晴らしいものでしたが、それは食料、労働などを分担した有色人種の苦労があったからであることは確かです。
第二次世界大戦が終わるまでの450年間、ヨーロッパの人はアジア人などを働かせ、黒人奴隷を使って生活をしてきたのですが、気が付いてみると「自分たちが働いて世界を支配する」ということは到底できず、日本、中国、インド、台湾、韓国などの産業に負けることを自覚したのです。
これは著者の考えですが、植民地を手放した後ヨーロッパ人が考えた防衛策が、
- EUを作って集団で勝負すること
- 環境などをテーマにしてアジアの発展を抑えること
でした。それは時期的には、アジアが1950年代に、アフリカが1960年代に独立し、そのあと、EUと環境問題が1970年代から活発に議論されだしたことと符合します。
しかし、「自分で働いて自分で世界をリードする」というのはすでにヨーロッパ人には無理だったこと、リサイクルや地球温暖化問題を仕掛けたけれど、すでに発展していた日本以外の中国、インドなどが追従しなかったことで計画は失敗し、今回の欧州議会選挙の結果、そして次の環境問題としての持続性社会、果てはプラスチックごみなどに変化しています。(メルマガより一部抜粋)
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