「腐敗」は正さなくても良いのか?各紙の参院選報道を独自分析

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7月21日の投開票に向け、各党とも党首や有力議員が応援に駆け回るなど、公示と同時に決戦ムードが本格化した参院選。メディアも参院選報道一色の様相を呈していますが、新聞各紙はその争点について、どのような「独自の分析」を試みているのでしょうか。ジャーナリストの内田誠さんが、自身のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』で詳細に分析しています。

参院選、新聞各紙の独自の分析や発見を探る

ラインナップ

◆1面トップの見出しから……。

《朝日》…「安倍政権6年半 問う」
《読売》…「年金・憲法で攻防」
《毎日》…「安倍政権7年審判」
《東京》…「未来選ぶ 論戦火ぶた」

◆解説面の見出しから……。

《朝日》…「政治の安定 内実は」
《読売》…「1人区 全面対決」
《毎日》…「首相 改憲を前面に」
《東京》…「戦略二分 改憲左右」

プロフィール

参院選が始まりました。争点にせよ論点にせよ、各紙、何か独自の分析や発見がないか、探してみることにしましょう。

■6年半は長い…■《朝日》
■中長期的に評価せよ…■《読売》
■首脳間の関係アピールのみ■《毎日》
■有権者に響かない安倍氏の第一声■《東京》

6年半は長い…

【朝日】の1面。見出しに「安倍政権6年半 問う」「年金・増税・憲法 焦点に」とあり、ここに《朝日の参院選に対する位置付けがはっきりと示されている

「6年半」は単純に「長過ぎる」だけでなく、その間に強まった官邸主導によって行政が歪められ、政権に対する官僚の「忖度が広がり保身のためには公文書改竄にまで手を染めるようになってしまった。こうした政権の「腐敗を正さなくてよいのかという問いかけと読み込むことができる。

「年金・増税・憲法」の3つが具体的な争点であり、特に、直近に問題となった「2,000万円不足」問題とそこから露わになった老後生活への不安をどう解消していくのか。さらに、消費税の税率引き上げにみられる大衆課税の強化をどう判断するのか。そして安倍流の改憲を許すのか止めるのか。改憲については選挙後に改憲勢力が発議要件の3分の2、164議席を確保するのかどうかがカギであり、非改選の改憲勢力79議席と併せて必要な85議席を押さえられるかどうかが焦点になると伝えている。

1面左肩、佐古浩敏ゼネラルエディターによるコラムは「不安にふたせず 論議を」とのタイトルを掲げ、予算委員会の開催に応じないなど、与党・政権自ら議論にフタをしておきながら、選挙が始まると憲法改正については「議論をする政党か。議論すらしない政党か」を問うという安倍氏の矛盾を突き、「『不都合な事実の先送りやご都合主義は長期政権の副作用だろうと批判している。

中長期的に評価せよ…

【読売】は2面の記事で、与野党の対立を、「安定安心の対立に読み替えて説明している。安倍氏は6年間の実績を強調しながら「政治の安定」を訴え、野党、立憲民主党の枝野代表は金融庁の報告書を念頭に、「どうやって2千万円ためられるのか。どうしてこの状況で消費税をあげることができるのか」と批判。「暮らしの『安心』を取り戻さなければならない」と主張したと。

《読売》1面には東武雄政治部次長によるコラムがある。「令和の進路 託すのは」というタイトルからは何も伝わってこないが、中身を読むと、言いたいのは「中期的な視点で国政を託すべき人材は誰なのか政党はどこなのかを考えて投票したい」ということのようだ。

中期的云々は、少子高齢化の亢進と東京五輪後の景気減退、米中覇権争いなどの諸条件の中、適切な対処ができる人及び党ということになる。勿論、はっきりとは言っていないが、バラバラの野党民主党の流れを汲む野党にそれは無理ではないかと言いたいのだろう。後半、かなりの紙幅を割いて、安倍政権が「長時間労働を是正する働き方改革関連法」「外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理・難民認定法」「幼児教育と保育を無償化する改正子ども・子育て支援法」などを成立させてきたと、その「仕事ぶりを肯定的に書き連ねている

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