「豚が食べて死ぬのが有害ゴミ」上海で始まったゴミ分類の実情

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毎回、目覚ましい進歩を遂げる中国の最新情報を届けてくださる無料メルマガ『上海からお届け! 簡単3分、写真で覚える生活中国語』。今回は、先日上海で始まったばかりのゴミ分類の実情を、現地在住の日本人著者・ジンダオさんがフォトレポートしてくださっています。

中国上海で開始されたゴミ分類の実情を現地より生報告

7月を迎えた上海の市民生活でホットな話題と言えばゴミ分別問題。上海でもゴミ分別が始まったのです。正確に言えば今までも「湿垃圾」と「干垃圾」と呼ばれる「生ゴミ」と「回収ゴミ」の分類に分けたゴミ回収は行われていたのですが、まーざっくばらんな分け方だったんでしょう、7月から更に「有害垃圾」と「回收垃圾」が新しくゴミ分類に登場となりました。

上海に住む中国人の友人もWeChatのモーメンツ上でゴミに関するネタ記事をアップする人が多く、見ているだけで関心の高さがよく分かります。友人がアップしていた画像では冗談半分に「上海で外出(旅行も含め)必要だ」という一言と共にアップされていた画像は、腰にそれぞれ分類用の小型ゴミ箱を携帯していたり、アリペイのアイコンの中にゴミ分類指南が登場した。などゴミネタがアップ。

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また分類分けに慣れていない中国人のために、豚を使った以下のような分類指南も登場。

猪都能吃的 湿垃圾
zhū dōu néng chī de shī lā jī
豚が食べられるのが生ゴミ

猪都不要吃的 干垃圾
zhū dōu bù yào chī de gān lā jī
豚が食べられないのが回収ゴミ

猪吃了会死的 有害垃圾
zhū chī le huì sǐ de yǒu hài lā jī
豚が食べて死ぬのが有害ゴミ

可以卖了换猪的 可回收垃圾
kě yǐ mài le huàn zhū de kě huí shōu lā jī
売って豚と交換できるのが、回収ゴミ

中国人の笑いのツボにはドハマリのようで、中国人の友人に見せたら大笑いしていました。半分分かりやすく、半分は何となく政策を小馬鹿にしているのかも知れません。

ちょっと誤解があるといけませんが、今までも「湿垃圾」と「干垃圾」の分類分けや、「干垃圾」の中には衣類だけを分けて回収と、今までも分類分けがあったのですが、細かく分けなくても罰則も無かったですし、正直分類しなくても「ごみ集めおばさん」が街の至る場所にいて、ゴミをあさり売れそうなゴミを自動的に分類する仕組みがあったのですが、最近の中国は資源ごみが売れにくくなったのか、ごみおばさんの数もめっきり少なくなってきています。

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昔はゴミ回収場にゴミを出しに行くと、回収場に待機しているオババが手をかざして「ゴミ袋をワシにくれ!」とダイレクトに言ってくるので、「ひぇー」と内心気持ちが萎える事もあったのですが、最近はゴミくれ!のやり取りもめっきり減ってしまいました。その場でゴミ袋を破って中身を物色される怖さも過去の話です…。

なお今回から新しく罰則が登場し、正しく分類しないと200元の罰金を徴収するとの事。どうやって罰則するのよ?と思われるかも知れませんが、7月以降に見かけた街の様子でその理由が分かりました。

上海の街で見かけたゴミ回収場所に佇むオジサン。首をツッコミながらゴミをガサガサ。「ゴミ集めおじさん?」と思ったのですが、この制服はゴミ回収員の洋服。どうやら定期的にゴミ分類が正しいかチェックし分類が誤っている場合は仕分けをしているようでした。

そして写真の左上にあるように、監視カメラが取付けられている場所もあり、正しくゴミ出ししない市民はバッチリ撮影されているのです。これだと罰金も徴収しやすいですね。ゴミ回収場まで監視カメラでチェック!基本毎日ゴミ回収がある上海、何時に出しても良いため、こうでもしないと罰金なんて無理ですよね。

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街中に目をやるとゴミ分類指南やゴミ条例規則についての説明や、「分類していないゴミは回収して運びません!」と宣言ポスターが貼ってあり、ゴミについての意識を改革しつつある上海の街

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