メディアの問い合わせに対し、自民党本部は「テラスプレスの許可を得て、参考資料として配布した」と説明している。テラスプレスとの関係については、次のように書面で回答したという。
「テラスプレスは、1年ほど前から広く一般にネット上で閲覧されており…説得力のある内容であることから、これらの記事をまとめた冊子があるということで、通常の政治活動の一環として、参考資料として配布したものであり、テラスプレスの運営等には関与しておりません」(ハフポスト日本版より)
そうだとすると、テラスプレスが冊子にして発行したものを、自民党が買い取ったか、無償でもらったことになる。党所属の国会議員の事務所に各20冊以上配っているらしいから、相当な部数だ。
だが結局、テラスプレスの運営、執筆者などについてはいっさい語らない。おかしな話だ。自民党のような大政党がまったく知らないところから選挙にかかわる大事な資料を受け取るはずがないではないか。
あくまで政権とは無関係の外部ネットメディアが存在する形にし、その内容が自民党の主張に沿っているから使わせてもらったのだという装いに仕立てたとしか思えない。
ニュースサイト「BUZZAP!」によると、このアカウントの位置情報から、皇居、国会議事堂、首相官邸、霞ヶ関官庁街、自民党本部の周辺に発信源があるらしい。
万が一、政府機関である内調が、特定の政党の選挙対策に一役買っているとすれば、大問題である。
前川喜平氏のスキャンダルでっち上げや山口敬之氏の事件もみ消しに動き、さながら安倍首相の私的秘密工作機関に成り下がっているように見える現況からは、残念ながら、その疑いを拭いきれないのではないか。
内調には情報操作世論工作部門があるとされている。新聞、出版、テレビ、ネットなどのメディアごとに分かれてマスコミ担当の特命班が存在するとも聞く。
職務の性質上、われわれ一般人がその活動内容を知ることはできず、すべては推測の域を出ないが、逆に言うなら、内調が何をやっていても不思議ではないということになる。
公私の別をわきまえない不心得な政治権力者と、その忖度に余念のない側近たちが、年に何億円もの調査費を使う秘密機関を、思うがままに操ることができるなら、これほど恐ろしいことはない。
この件について、官邸は何も語るはずがない。冊子を配布した自民党本部が唯一の手がかりだ。
自民党本部は、疑惑を晴らすためにも、「テラスプレス」の実体を明らかにするべきである。
image by: 安倍晋三 - Home | Facebook