「ほめて育てる」とは言うものの、子供や部下に対してただ漫然とほめていただけでは成長など込めません。そこにはきっと「コツ」があるはずです。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では、著者で漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる親野智可等さんが、教師時代に経験したエピソードをから、子育てだけにとどまらない「効果的なほめ方」を紹介・解説しています。
ほめ方には2種類ある。子どもが本当に喜ぶほめ方とは?
先生だったときのことだ。図工の授業で、ある男の子に「上手だね」とほめたが、あまりうれしそうな顔をしなかった。
次の授業のとき、その子の描いているところをよく観察して、「この手や腕の立体感や丸みがよく出ているね。肌の明るいところから暗いところまで少しずつ色を変えたからだね」とほめたら、とてもうれしそうだった。
私は「なるほどなあ」と思った。相手をぼんやり見ながら、月並みなほめ方をしても通用しないのだ。相手をよく観察することが大事だ。しかも、ほめられる部分を探そうというプラス思考で。
すると、相手のこだわりポイントが見えてくる。それは、相手がほめて欲しいことがわかるということでもある。そして、これは当然ながら絵のことだけではなく、全てにおいて当てはまることなのだ。
つまり、ほめ方には2種類あるのだ。
- こちらがほめたいことをほめる
- 相手がほめて欲しいことをほめる
もちろん1でもうれしいことはうれしい。だが、本当にうれしいのは2番目のほめ方をしてもらったときなのだ。
1.は、「ほめることで相手をコントロールしたい。もっとやらせたい」という意識が透けて見える。だから、イマイチ素直に喜べない。2.にはそれがない。だから、素直に喜べる。
人は誰でも、自分の思い入れが強いところ、こだわっているところを見てほしいし、それをほめてもらいたいのだ。だから、そこをほめられると「よくぞわかってくれた」という感じでうれしいのだ。
2.のほめ方ができるようになれば、ほめ方の達人といっていい。それは、人間関係の達人でもある。ということで、ぜひ、子どもにもその他の人に対しても、2.のほめ方ができるように心がけていこう。
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