「車がないと生活できない」と語る田舎の親に免許返納させた裏技

 

でね。返納を説得するなら、別の切り口を試してみてほしいんです。それは

自動車を所有しているおカネがどのくらいか

です。このおカネには、自動車税・車検代・任意保険・ガソリン代駐車場代…このあたりですね。これ、

・意識していない

ってとこがポイントなんだと思います。

人は、使う度に支払うおカネの額は覚えているものですが、一回支払ってオシマイだとあんまり覚えていないんですよね。クルマだって昨日支払った駅前の駐車場代は覚えていても、この前の車検代がいくらか覚えていないでしょ?

ザックリですが、所有しているのが軽自動車だとしても、

・自動車税 :10,000円位
・車検代  :65,000円位
・駐車場代 :20,000円位
・任意保険 :80,000円位
・ガソリン代:40,000円位

年間ですよ。いや、あの、上下幅が激しいものだってことは、よく分かっているつもりです。駐車場代なんて、都心と地方じゃ全然違いますからね。また、任意保険やガソリン代の金額もホントにピンキリでしょう。なので、ザックリこのくらいという目安で考えてくださいね。

…でも、結構高額ですよね(0_0;)所有しているだけでかかっているわけですから、これはそのまま

タクシー代やバス代、電車代にスライドできる

ということです。おそらくトシヨリドライバーの不満のひとつは、

・タクシーは高い!

だろうと思います。それは一回づつ支払うから、痛みとして覚えているだけです。ホントは、クルマを持っているだけで費やされているおカネがあるんですよ。それを原資にすれば、タクシーに乗るのもそれほど抵抗感が無くなるんじゃないでしょうか。

ん?でも、足回りの不便さは解消されない?ま、それはグルッと一周して同じところに戻っちゃっいましたね。そりゃそーですよ。クルマのいいところは、自由度の高さです。返納する以上は、それはどうしたって失ってしまいます。返納を検討するということは、

喪失する自由度の高さ と 未来の安全

を比較してみるという話ですから。

だから、クルマにかかっている諸経費以外にもうひとつ考えなくてはならないおカネがありますよね。そう、事故を起こした場合の損害賠償金です。

返納で問題になるのは、

・高齢者が加害者になった場合

ですね。なので、今回高齢者が被害者になった場合は省きますよ。

交通事故を起こして加害者になった場合、加害者に損害賠償や慰謝料を支払うことになります。死亡したら葬式代なども加算されます。

メンドーな計算式があるのですが、これまたチョーざっくり言うと4歳の子供が交通事故で亡くなった場合

・だいたい5,000万くらい

が損害賠償の相場だそうです。目安ですよ、念のため。

払う側でこの金額をみれば、非常に高額だと思うでしょう。ですが、子供を失った側でこの金額をみれば、とても心の傷が癒える金額ではないように思います。まあ、もともとおカネで癒えるものでもないんですが。

この損害賠償分をどう考えるか。これが免許返納で最も検討すべき部分だと思うのです。

もちろん高額ですが、たとえ自賠責が任意保険がと言ってもそれは所詮おカネの問題だけで、たとえ支払っても相手の人生は戻らない。遺族の傷も癒えないのです。

つまり

費用としては、項目が違う
起こり得るかもしれない事故から逃れられる

ということです。

一概には言えませんが、一概に言えることもあります。

身体能力は、若い時より落ちている

とういうことです。この大前提は、有史以来ほぼ誰にも覆されていないんです。

というわけで、我が家では同居の義母に免許返納を決意させました。タクシーとバス、あるいはシニアカーなどで足をカバーし悲しいおカネを支払う代わりに地域経済を回すおカネを支払いたいと思います。

そろそろ夏休み。イナカの両親に免許返納を切り出してみてはどうでしょうか。

image by: Shutterstock.com

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食べるのは大好きだけど、作るのは超苦手。棚拭きとアイロンがけが何より嫌い。そんな家事オンチだった私がソレナリに家事をこなせるようになったワケ。家事全体を見渡して、最小の手間で最大のリターンを得る、具体的なシステムをお知らせするメールマガジンです。

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【著者】 真井花(まないはな) 【発行周期】 週3回(月水金)刊

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