そして、それからしばらく経ってマルモンさんからご報告を頂きました。こんな内容でした。
パピーさん、ご無沙汰しています。マルモンです。しばらく時間が空いてしまいましたがご報告をさせて頂こうとメールを書いています。
パピーさんに「とてもいい機会だから、子供を信じて見守ってあげて…」とお返事を頂き、とりあえずのお礼のお返事をしましたが、実は私自身納得できていませんでした。
私は「過保護すぎた自分は分かっている」「転園・転校もやり過ぎだった」「今までの子供との接し方が間違っていた」とは書きましたが、本音は「前のような親子関係に戻りたい」「そんな方法を教えてほしい」という気持でした。
できればなんとか陸上部を止めさせることができないか?とさえ思っていました。
文面では、自分の間違いを認め、改めたい…とかっこいい言い方をしていましたが本心では全く整理ができておらず、完全に子離れできない親で未練たらたらでした。
ですから「ずっとお母さんに従っているだけでは、やはり“自立”は難しいのです」の言葉はとても厳しく感じ、しばらく凹みました。
が、はっきり言って頂いたおかげで自分の気持ちを切り替える事ができたと思っています。
子供が中学に上がってから1年間は、私自身とても苦しかったです。
ですがパピーさんも言ってくださったように、毎日運動をすることで、しだいにその運動量にも慣れ、食事の量が以前の倍ぐらいになって、体もどんどん大きくなり、日に焼けてたくましくなっていきました。
陸上部の中では、決して成績が良いわけではないのですが「自己新記録が出た」「又、更新した」と、どんどん自分の記録を塗り替えていく事が楽しかったようです。
とても嬉しそうに報告してくれる表情は今まで見たことがありませんでした。
そして顧問の先生からは「○○(長男)は、タイム的にはあまり早くないが、伸び率では過去最高だぞ」と言ってもらったそうです。
先生は「陸上は結果が全てだけど、それで人の価値が決まるわけじゃない。大事なのはどれだけ自分を成長できたかだ!お前はこれだけ自分を成長させたんだ。これってすごい事なんだぞ!」と部員の前で褒めてくださったようです。
嬉しそうにそうやって話す子供を見て、私はどうだっただろう?と振り返った時、「私はその時々の結果だけしか見ておらず、子供の未来や成長を考えていなかった」とやっと気づいたのでした。
3年生になった今も、下級生に抜かされてしまう事も多いみたいですが、決してあきらめずベストを尽くす姿に感動します。
そして陸上部の子供たちは頭の良い子が多く「タイムでも負けて、勉強でも負けるのはイヤだから、塾に行かせてほしい」と言い出して、勉強も自分から取り組み始めました。将来は顧問の先生の様になりたい!との思いがあるみたいです。
思えば、パピーさんの言葉は子供の「今」ではなく「これから」を考えてのアドバイスだったのに、私は足元ばかり見ていて、右往左往していました。
でも、こうやって時間が経ち、大きく成長した我が子を見て、過保護や過干渉を続けなくてよかったと安堵しています。
やっと「子供を信じ、任せて、失敗もさせよう!」の覚悟ができた感じがします。私は苦しかったですが、子供は充実した中学生活だったのではないかな?と子供の表情を見て思っています。
来年は高校受験があります。まだ本人も志望校を決めかねているようですが、相談があるまでは口を出さず、じっくり自分で考えて高校受験も突破し、高校生活も楽しんでほしいです。(後略)
実は、マルモンさんにお返事した「ずっとお母さんに従っているだけでは、やはり“自立”は難しいのです」は、お返事に書こうかやめようか、悩んだ言葉でした。
というのは、それが真実であってもマルモンさんには刺激が強すぎるかな…と考えたからでした。
でも、分かっていながら止めることができなかったマルモンさんには、ちょっと刺激が強くてもここで考え方を切り替えてほしいとの思いで記載したのでした。
マルモンさんからのメールには「未練たらたらでした」「1年間はとても苦しかった」と書かれていましたが、ちゃんと距離を取って見守って下さったんだな…という事が頂いた内容から分かります。
その結果、息子さんは自分で自分を高める楽しさや、頑張った先に歓びがある事も知る事になったと思うのですね。
勉強も自分から「塾に行きたい!」と言い出したようですし、高校受験も控えてエンジンがかかってきたように感じます。
親が子供の変化に合わせて、接し方を変えていく事は、とても難しいとは思います。ですが子供が親を必要としなくなった時、接し方を変えてみる(子供に任せて失敗をさせてみる)最大のチャンスにもなるんですね。
マルモンさん、貴重なご報告をありがとうございました。
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