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タラタラよりハラハラの連続。日本中を虜にした渋野日向子の笑顔

日本人として42年ぶりの快挙となる全英女子オープンで優勝し、絶やさぬ笑顔で人気急上昇中の女子ゴルフ・渋野日向子プロ。試合中に食べていた「タラタラしてんじゃねーよ」という駄菓子にまで注目が集まるほど、話題を独占しています。サッカーに関する記事を中心に配信する人気メルマガ『J3+ (メルマ)』の発行者じじさんは、このニュースター誕生をTV生中継で目撃し、ますます加熱すると予想されるメディア報道について、サッカー界のスターの事例を紐解きながら解説しています。

スポーツ界にニュースターが誕生

女子ゴルフのメジャー大会の一つである「全英女子オープン」は8月1日~8月4日にかけて開催されたが初出場となった渋野日向子プロが通算18アンダーで優勝。日本人としては男女を通じて2人目となるメジャー大会での優勝となった。過去にも多くの名選手が挑戦してきたが日本人としては42年ぶり。樋口久子さん以来の快挙となった。1998年11月15日生まれでまだ20才という若さの渋野プロは、一躍、国民的なヒロインになった。当分の間はフィーバーが続くだろう。またしてもスポーツ界にニュースターが誕生した

個人的な話をするとゴルフは全く詳しくない。正直、現役選手で名前と顔が一致するのは両手で数えられるくらい。最近の選手のことはほとんど分からなかったので渋野プロのことを知ったのも今大会の初日のとき。ゴルフに関する知識はゼロに近かった。ゴルフ中継を観ることもほとんどないが今大会の渋野プロのプレーは初日からガッツリとTVで観た。これだけゴルフ中継を観たのは人生の中でも初めて。「今日の夜、○○時からゴルフの中継がある。」と思ってゴルフ中継を気にしながら生活をしたのも初めてだった。

3日目を終えた時点で「2打差の首位」だったが最終日は3番ホールでダブルボギー。この時点でTVを消して寝た人は多かったと思うが最後まで見続けた人は歴史的な快挙をリアルタイムで体験することが出来た。最終の18番ホールを前にした時点で首位タイ。他の有力選手のほとんどはすでにホールアウトしていたので「18番ホールでバーディーを取れれば初優勝、パーならプレーオフに回って、ボギーなら2位」というシチュエーションだったが最後のロングパットを決めてバーディー。何ともドラマチックな展開だった

ゴルフの知識がほとんどないので「この状況になったら大丈夫」、「この状況になるとマズい」というのが全く分からない。サッカーに例えると「CBがシュートコースを消していて、キーパーもしっかりと対応できているので、危ないシーンのように見えて全く危ない場面ではない。」というシーンで大騒ぎをする人た(実況やサポーターなど)を冷めた目で見ることは多いが知識や常識がないと観ている側は余計にハラハラしてしまうので疲れる。(逆に言うと「知識や常識がないが故に楽しめる」という部分もあるだろう)

わずか4日間で多くの人をとりこに

わずか4日間で渋野プロに対する注目度や人気は劇的に高まったが実力もさることながらプレーの合間に見せるチャーミングな言動にも注目が集まっている。優勝カップを授与した後、英語でスピーチをする機会もあったが、びっくりするほどの片言の英語だった。それでも堂々とスピーチを続けて困ったときは笑ってごまかすことに成功。海外メディアから「スマイル・シンデレラ」と呼ばれるようになったと報道されているがメンタルの強さは常人ではない。これだけ実力と愛嬌のある選手が人気者にならないわけはない。

この世代は「ゴルフ界の黄金世代」と言われているようだ。畑岡奈紗プロ、勝みなみプロの方がこれまでは評価が高かったと言われているが全英女子オープンを制したことで立場は逆転となった。2020年の東京五輪での活躍も期待されるが各分野のシンボル的な選手の印象がその分野全体の印象に直結することを考えると渋野プロのような万人のハートをわしづかみするようなキュートな選手が出て来たのはゴルフ界にとっても大きな話である。「世界ランキングは46位から13位まで浮上する。」と言われている。

優勝が決まった後の月曜日は渋野プロの活躍の話題で日本列島は沸いたが地元は岡山県岡山市。「地元は盛り上がっている。」とメディアで報道されている。作陽高出身でRSK山陽放送の所属。「RSKって何???」という形でも報道されているが作陽高の校長がサッカー部の監督を長きに渡って務めた野村雅之さんになる。現在は総監督になる野村校長もいくつか取材を受けていた。スカパーやDAZNの岡山のホーム戦のときに高確率で解説を務める人なのでサッカーファンにとってはお馴染みの人である。

笑う門には福来る

「スマイル・シンデレラ」と言われるほど笑顔がトレードマークになっているが常に思い通りのプレーが出来るわけではないことを考えると笑顔でプレーし続けるというのは簡単なことではない。今後、思うように結果を出せなくなったときには「笑顔」を否定する人が出てくると思うが「常に笑顔でプレーできる」というのは意識してもできないある意味では才能である。「笑う門には福来る」という言葉があるとおり、笑顔でプレーできる選手にはいいことが起こる可能性が高い。今後も笑顔を忘れずにプレーしてほしい。

人気と実力を兼ね備えたニュースター出現ということで当分の間はメディアが殺到すると思うがスターの宿命である。ニュースターが登場してメディアが殺到するような事態になったときはメディアが批判の対象になるが「情報」を求めている視聴者や読者などがたくさんいる以上はメディアがそうなるのは仕方がないことである。「出来る限り、そっとしておいて欲しい。」とも思うが、メディアとうまく付き合っていくこともプロスポーツ選手にとって求められる要素の1つであり、メディアといい関係を築くことが期待される。

「時としてメディアがニュースターの足を引っ張る。」というのは日本に限った話ではないと思うが、「それで我を忘れて潰れてしまったらそれも実力のうち」と個人的には考える。サッカー選手では、今、MF久保建(レアル・マドリー)に尋常ではないレベルで注目が集まっているがスター候補と認められた選手の宿命である。メディア対応というのが選手にとっては大きな負担になるのは間違いないが、FW三浦知、MF中田英、MF中村俊、MF本田圭、MF香川など時代の中心になった選手は紆余曲折ありながらもこなしてきた。

また、女子選手が活躍するとルックスやファッションなどにも注目が集まる。テニスの大坂なおみさんが優勝したときもテニス以外のことに注目が集まったがこれも仕方がないことである。男子選手と比べるとはるかに女子選手はルックス性格などがメディアで大きく取り上げられるが日本では「そういう情報を求めている人が多い。」というのは紛れもない事実である。「かわいい」であったり、「キレイ」であったり、「チャーミング」であったり、「天真爛漫」といった部分も女子選手の場合はプロとしての武器になる。

image by: Shutterstock.com

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