一方、東日本大震災のときには「リーダーの顔」をきちんと見せてくれたリーダーたちがいました。
陸前高田市の戸羽太市長はご自身の奥様が行方不明にもかかわらず、避難者9,000人の市長であることを優先させ被災者のために動き回りました。福島県南相馬市の桜井勝延市長は、物資が届けてもらえない現状を連日マスコミで訴え続け、福島県双葉町の井戸川克隆町長も町民1,800人とともに避難し、厳しい状況を発信し続けました。
いずれのリーダーも、自分のやるべきことに誠実に向き合い、市長さんは市民のことを、町長さんは町民のことを、真っ先に考え、メンバーたちの目線で物事を見つめ、メンバーたちの気持ちに最大限に応えるためにリーダーとしてできることを実行していました。
リーダーの声は、市民の声でもあり、町民の声。リーダーは被災者の代弁者でなくてはいけないのです。
その役割を千葉県のリーダーはやっていたのでしょうか?
自分たちと同じ目線でいてくれるリーダー、気持ちに寄り添ってくれるリーダーは、安心できます。安心できるリーダーは信頼できます。
明日どう生きたらいいのか、この先どうなっていくかも分からない時だけに、自分たちの代弁者となって発信してくれるリーダーは頼りになる。そして、それはリーダーにしかできないこと。
今回の台風で被災した多くの人たちが生活インフラを断たれ、今尚、苦しんでいます。
数ある自然災害の中で、台風や大雨などの気象災害は唯一「予期」できるだけに、リーダーの顔が見えなかった今回の事態は残念でなりません。
みなさまのご意見、お聞かせください。
image by: 陸上自衛隊 東部方面隊 - Home | Facebook
※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2019年9月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。