なぜ食品メーカーはこぞって業務用時短食材を提供し始めたのか?

 

先ほどのカゴメの「冷凍イタリアングリル野菜シリーズ」では、下ごしらえなしで調理できるため、調理時間が1時間短縮できるそうですし、また、ミツカンの「カンタン酢」は、マリネでも肉料理でも使い分けをしなくても使えるため、1本置いておけば、新人が担当した場合でも、レシピどおりに作れるようになります。

マーケティング活動ですべきは、お客様が困っていることを取り除いてあげたり、必要だと感じていることに、自社ができることを提供することです。

今回の事例では、食材メーカーが得意先の飲食業界における「人手不足」というニーズをいち早く見つけ、自社のサービスや製品に付加価値をつけて販売するということになります。注意深く顧客のニーズを把握することで、お困りごとを見つけ商品やサービスを改善することで、選ばれる企業になれるのです。

このような顧客ニーズの発見や深掘りには、自社と顧客を取り巻く環境の分析が役に立ちます。この事例でもあるように、働き方改革、人口減少、仕事の多様化、といった、市場環境の変化に気づくことで、「調理時間の短縮」が、顧客ニーズの解消につながり、顧客価値をアップさせたわけです。

政治、経済、社会、技術の変化を分析する、「PEST分析」のフレームワークで発見できることがらです。毎日、毎月でなくてもいいので、四半期に一度くらい、自社を取り巻く環境を見直してみると、見逃していた顧客ニーズ発見につながるものです。

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