出版不況もなんの。月刊『幼稚園』がすごい付録で快進撃のワケ

 

まずは、独創性・ユニークさです。ずっと仕事をしているとどうしても、「うちの付録はこの方針でやってきたから」「付録はこうに決まっている」と、知らないうちに固定観念にとらわれがちです。この『幼稚園』のケースでは、子供雑誌の枠を飛び越えた実際世の中にあるものを再現して付録にした、ということが最大の特徴です。

とはいうものの「ユニークな企画を出せ!」と言われても、なかなか一朝一夕には出せないものです。どうしても「自社目線」で考えていると、なかなかお客様の心に響く発想が出てこないのです。そういう時には発想を変えて「お客様目線」になってみることです。

やり方は、まず仮説を立てること。自社プロダクトに響く想定顧客層が誰なのか、という仮説を立てます。次にその顧客層がどんな行動をするのか?という仮説を立てます。そして、実際にお客様が行動しそうなところに行って観察したり、お客様になりきってみて体験してみるということで、何かヒントを得るといった具合です。

この『幼稚園』の担当者は、プライベートで回転寿司に行った時に、「子供たちがとても楽しそうに食べていた」ことから、くら寿司の付録を思いついたそうです。

「何を作れば売れるのか?」という自社目線ではなく、この「何をすればお客様(この場合は子供)が喜ぶかな?」というお客様目線に転換することが大事なのですが、その第1歩がお客様の観察です。

もう1点は、「なぜこの雑誌にこの付録を作るのか?」という原点が明確だということ。インタビューでは「幼稚園生には、ATMを作れますか?」という問いに「いや親と一緒じゃないとできないのです。親とコミュニケーションをとってもらうためです」とのことでした。子供は「リアルなATMの外見と仕組み」に驚き、親は「子どもと一緒に作ることでコミュニケーション」が取れるということになります。

私たちはどうしても、「何を作るべきか」「どうやって売るべきか?」とWhatやHowから考えがちですが、この『幼稚園』の付録は「何のために作るのか?」というWhyが明確なのです。

売上減少や、新規事業に行きづまったら、一度原点にもどって、このように、「私たちは何を目指し誰をどうやって幸せにできるのか」という原点に立ち返ってみるといいでしょう。

image by: PR Times

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