文春砲に狙われた菅原メロン経産相「ヤジ将軍」の恥ずかしい過去

 

このように国会で攻め込まれている姿を見ると、これまでの菅原氏の国会審議中の行状が鮮やかな対照をなして浮かび上がる。

たとえば、ヤジ有力政治家への贈答とともに彼の得意とする処世術だ。ヤジ将軍と異名をとることもある。なかでも“勇名”をはせたのは、「保育園落ちた日本死ね」ブログを山尾志桜里議員が国会でとりあげたさいだ。「誰が書いたんだよ」「匿名だよ、匿名」「ちゃんと本人を出せ」など、かまびすしいヤジの数々を主導したのが菅原氏である。

質問に立って野党批判を延々と続けるので有名なのは、同じ野党(ゆ党?)議員であるはずの足立康史議員(維新)だが、その点で決して負けることのない歴史的な質疑を2006年2月9日の衆議院予算委員会で、菅原氏が繰り広げた。筆者は勝手ながら「菅原君早く質問を事件と呼んでいる。

小泉政権の末期、第一次安倍政権が誕生する半年ほどまえのことだ。東京の区議や都議を経て衆院当選2期、自民党副幹事長になって間もない菅原議員はよほど当時の民主党が嫌いだったらしく、その日の予算委員会では、質問時間の大半を民主党批判に費やした。いつまで経っても閣僚への質問が始まらないため、当時の大島理森予算委員長から繰り返し叱責されるのだが、その回数が半端じゃない。

「質問者、どんどん質問してください」…「菅原君、早く質問をしなさい」…「菅原君、早く質問に入ってください」…「菅原君に申し上げます。早く質問に入りなさい」…「質問に入りなさい」…「質問に入るように」

大島委員長による計6回の催促でようやく質問に移ったのだが、安倍晋三氏にはこの時の長々とした民主党批判が好ましく映ったのであろう、同じ年の9月26日に発足した第一次安倍政権では厚生労働大臣政務官に取り立てられた

筆者の見るところ、菅原氏の贈答もヤジも野党批判も目上に気に入られたいためである。上司にこびへつらう人が部下にはつらくあたるというのはよく見られること。菅原氏も例外ではないようで、週刊文春によると、給与を事務所に上納するよう秘書に要求することがあった。元秘書の次のような証言が報じられている。

「私設秘書だった私はある時、菅原氏から『公設秘書にしてやる』といわれたのですが、同時に『国からの秘書給料は40万円程度だ。毎月10万円は事務所に入れなさい』と寄附を要求されました」

11日の予算委員会で、本多議員はそれに関連し「秘書給与を自分に寄付せよと勧誘、強要したら、法違反です。そのようなことをしたのではありませんか」と質問したが、菅原大臣は否定することもなく「確認してみたい」とその場をしのいだ。

さて、いちばんの問題は、菅原氏のようなタイプの政治家が経産相になって、大丈夫かということだ。関電の原発マネー還流問題などで浮かび上がったように、国のエネルギー政策の根幹が腐りかけているのだ。

関電は第三者委員会で調査すると言っているが、第三者といってもかたちだけで、実は経営陣が責任逃れするための隠れ蓑というケースがあまりに多い。

このような国民の支払う電気料や税金のからむ問題では、企業に任せることなく、経産大臣が指揮をとって全容解明を進めるべきである。それをやれるかどうかが菅原氏をホンモノの政治家と評価できるかどうかの分かれ道になる。

image by: すがわら一秀 - Home | Facebook

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